Android版のXperia Ear Duoアプリでは、イヤホン本体のタッチパッドやヘッドジェスチャーによる操作を細かくカスタマイズできます。左側のイヤホンに割り当てられているメディア再生のリモコン機能はほぼ固定されていますが、右側にまとめられているAIアシスタント系の機能はかなり自由に変更できます。

  • マルチタップのそれぞれで起動するAIアシスタントを設定。Googleアシスタントとの連携が想像以上にイケていたことは、前ページで紹介した通りです

筆者は最初「シングルタップ=デイリーアシストの通知読み上げ」「ダブルタップ=Googleアシスタント」「トリプルタップ=Clova」「長押し=Assistant for Xperia」としましたが、たまにマルチタップの認識が上手くいかないこともあったので、トリプルタップは減らしてみました。

ヘッドジェスチャーは「○○をしますか?」と問いかけてくるアシスタントに対して、うなずいたり首を振る動作で「はい」と「いいえ」を返せたり、使いこなせば何かと便利な機能です。

頭を左右に振る動作を音楽再生時の「曲送り」に割り当てることもできますが、実際にはかなりセンサーの感度が良すぎて、ちょっと頭を動かすと曲送り操作として認識されてしまいます。外出時など体を動かしながら音楽を聴く時にはオフにしないと普通にリスニングができないほど。例えば「タッチパッドを指で押さえながら首を振る」など、合わせ技によるジェスチャーで曲送りを認識した方が実用的だと思いました。

アプリに用意されているオーディオ設定の中に「アダプティブボリュームコントロール」という、リスニング環境のノイズレベルを本体のマイクで集音・測定しながら、音楽や通話のボリュームを自動的に調節してくれる機能があります。とても先進的ですが、アプリの設定はなぜかデフォルトがオフになっています。使ってみてその理由がわかったのですが、例えば通りを歩きながら音楽を聴いていると、側を走るバスやバイクのエンジン音で急にボリュームが大きくなったり、反対に周囲が静かになると音量が絞られて、聴感的には音が小さく感じられてしまいます。周囲の騒音レベルが目まぐるしく変わる環境ではこの機能をオフにして、ボリュームは固定した方が良さそうです。

購入満足度は十分! 今後のアップデートにも期待

現実世界の環境音の上にもう1枚、音のレイヤーを重ねるようにして楽しむ「デュアルリスニング」はXperia Ear Duoの最大の醍醐味です。映像で言うところの「AR/拡張現実」や「MR/複合現実」のような斬新なリスニング体験が味わえるだけでも、本機を買った甲斐があります。

筆者は家の外にでかけて原稿を書くこともよくありますが、最近はXperia Ear Duoを装着して周囲の人の声が聞こえないように「音のカーテン」を引いて過ごしています。耳栓タイプのイヤホンやノイズキャンセリングヘッドホンに比べて、音楽にもあまり集中しすぎないで済むので、とてもいい感じで目の前の作業に集中できます。本機らしさを活かせるリスニングシーンはこれからまだまだ見つけられそうな気がしています。

LINEが鋭意開発中のリアルタイム外国語翻訳や、Clova以外のAIアシスタントへの対応拡大などアップデートによる機能追加も期待したいところですが、何よりもまずiPhoneでもXperia Ear Duoのフル機能が使えるようになって欲しいです。その日が来たらまわりの友だちにも本機を積極的に勧めて、LINEやAnytime Talkの仲間を増やしたいと思います。

  • こちらはiOS版のホストアプリ。設定項目や使える機能がAndroid版に比べてとてもシンプル。アップデートで充実することを期待しましょう