第3章はOffice 365関連。Microsoft Graphを活用した数々の機能をMicrosoft Principal Program Manager, Yina Arenas氏が紹介した。ExcelはAzure Machine LearningとJavaScriptのカスタム関数を利用して、独自の機能拡張を追加し、Office 365 Admin Center経由で特定ユーザーに配布する機能を追加している。
Microsoft Principal Group Program Manager, Charles Morris氏はOutlookから、Microsoft Pay(Wallet)経由でクレジット決済などを可能にするPayments in Outlookを発表。チャットボットなどでも利用するAdaptive Cardsを用いて、手順の簡略化を実現する。
Microsoft Partner Group Program Manager, Kristina Behr氏は、Microsoft Teams APIの更新をアピールした。企業内のチャットツールとして浸透しつつあるMicrosoft Teamsだが、同APIを利用してPower BI的な情報の可視化や、SharePointダッシュボードをタブに取り込める。この他にもボット活用やAdaptive Cardsとの連携、メッセージの拡張が図られた。
UWPアプリからMicrosoft Graphが利用可能
第4章は再びArenas氏が登壇し、Microsoft GraphがMicrosoft 365(Windows 10、Office 365、EMS)と密接に連携していることをアピールした。Windows 10のタイムラインやMicrosoft Intuneなどに用いられ、開発者も自身のアプリ開発に利用可能だと語る。また、AAD(Azure Active Directory)へのSSO(シングルサインオン)でアプリ同士の共同作業を可能とするGroups in Graphや、ファイルの管理や閲覧性を向上させるFiles in Graphなどを含んだMicrosoft Graph UWP Controlsの利用をうながした。
同コントロールはActivities in Graphを備え、Windows 10のタイムラインとも連携する。Microsoftは「(同コントロールの利用で)UWPアプリの共同作業を可能とする。これまで以上にパワフルなアプリ開発に活用してほしい」(Arenas氏)と述べた。
以上で2日目の基調講演におけるトピック紹介を終えるが、Microsoft製品・サービスの基盤となるMicrosoft Graphの活用がカギとなる内容だった。デバイスの垣根を越える「One Windows」は、Windows 10 Mobileの不遇で座礁したように見えていたが、iPhoneやAndroidデバイスを招くことで維持し、Microsoftはクラウドを含めたサービスプラットフォーム企業を目指すのだろう。
阿久津良和(Cactus)