画角は、カメラのレンズがどれだけの範囲を撮影できるかを示します。デジタルカメラやスマートフォンのレンズでは「mm」という単位で表し、数値が小さいほどより広角に撮影できます。ドライブレコーダーの場合は角度で表す製品が多く、この角度が大きいと写る範囲が広くなります。画角は「対角」、あるいは「水平(左右)」と「垂直(上下)」など、製品によって記載方法が異なるので注意しましょう。

ドライブレコーダーで重視したいのは水平の対角です。左右に写る範囲が広いと、交差点の左右の様子や歩道の歩行者、車の脇を走る自転車など広い範囲を映像に残せるため、万が一のときの記録には有利となります。一般的な乗用車は、手前にボンネットがあって車の前方と運転席の距離が離れているため、水平で90度前後あれば左前右前も映像に残しやすくなります。ただ、車体の前部が短いミニバンやトラック、軽自動車などに取り付けるならば、画角は水平で120度以上ないと左右が十分に写し取れないことがあります。

  • 対角130度(水平95度、垂直50度)のドライブレコーダーで撮影した映像の一部を切り出したもの

  • 対角132度(水平144度、垂直70度)のドライブレコーダーで撮影した映像の一部を切り出したもの。クルマの周囲の様子がより広く写っているのが分かる

最近は、超広角レンズを搭載し、前後左右の周囲をすべて撮影できる半天球や全天球型のドライブレコーダーも登場しています。前方だけでなく、左右や後方の様子も一度に撮影できるため、あらゆる状況に対処しやすいのがポイント。また、運転手の視線の方向や手足の動きといった運転状況も記録できます。

  • カーメイトの「d'Action 360」(実売価格は税別49,800円)のように、前後左右のほぼ全方位を撮影できるドライブレコーダーも登場している。前方や左右、後方だけでなく、運転手の細かな動きまでも記録できるため、状況の証明に使いやすい

ドライブレコーダーは構造に応じて、一般的なコンパクトデジカメを小さくしたような「カメラ型」、レンズと本体が分離しておりドライブレコーダーを目立たなく設置できる「セパレート型」、ルームミラーにかぶせて使う「ミラー型」の3種類に大きく分類できます。

  • ドライブレコーダーはカメラ型(左上)、セパレート型(右上)、ミラー型(下)の3種類に大きく分類できる。売れ筋はカメラ型だが、それぞれ一長一短あるので、好みで選んでもよい

カメラ型は取り付けが簡単なものの、カメラが目立つ欠点があります。セパレート型はカメラが目立たないものの、取り付けに手間がかかるのが欠点です。ミラー型はルームミラーに取り付けるだけなので設置は簡単ですが、ルームミラーを動かすと撮影範囲が変わってしまうので、調節の手間が生じるのが欠点です。

どのタイプも一長一短といえますので、好みで選んで問題ないでしょう。初心者ならば、取り付けや調節がしやすく、選択肢も多いカメラ型がおすすめです。