一般ユーザー向けのフルMVNOサービスとして4月2日から販売を開始するのが、訪日外国人向けの「Japan Travel SIM」だ。IIJはこれまでにも「Japan Travel SIM powered by IIJmio」として訪日外国人向けのプリペイド型SIMを販売していたが、そのフルMVNO版となる。ドコモ回線を使い、通信速度は下り最大788Mbps、上り最大50Mbps。データ通信専用で、音声通話は利用できない。

Japan Travel SIMがフルMVNOサービスである証が、使用されるSIMだ。このSIMはフルサイズで提供されるが、折り目が入っており、必要に応じて折りとることでmicro SIM、nano SIMとしても利用できる「マルチサイズSIM」となっている。パッケージ1種類であらゆる端末に対応できるわけだ。

  • 日本を意識させるパッケージは、店頭などでご存知の方もいるのでは。訪日客向け回線は、インバウンド需要が高まる中で、今後ますます注目されるジャンルでもある

  • やや見づらくて申し訳ないが、SIMに折り目が入っているのがおわかりだろうか。必要に応じて折り取って自分でサイズを合わせるマルチサイズSIMだが、これもフルMVNOになったから提供できるメリットのひとつだ

パッケージではデータ通信量が1.5GBと3GBのサービスが用意され、それぞれ利用可能期間は30日。容量が足りなくなった場合は「IIJmioクーポンカード」でチャージできる。チャージ金額は500MBで1,500円、2GBが3,000円となっている。価格はオープンプライスだが、IIJがMVNEとして関与しているビックカメラの「BIC SIM」の場合、それぞれ1,850円、2,800円だ。こちらも詳細な料金等は既報の別記事をご参照いただきたい。

従来の「〜powered by IIJmio」のほうが3GB/2カ月と利用可能期間が長かったり、またドコモ端末を使う場合はSIMフリー端末が必要(従来の「〜powered by IIJmio」はドコモ端末であればSIMロックがかかっていてもOK)といった違いがあるため、一概に「フルMVNOになってお得」というわけではないが、訪日外国人は基本的にSIMロックフリー端末を持っているという想定なので、SIM自体の使い分けについてはさほど実用上の問題はないだろう。