――冷蔵庫と洗濯機のほかは何が必要性が高いですか。

和泉氏:クリーナー(掃除機)は比較的買う人が多いですね。キャニスターよりスティックの方が買われる傾向にあります。狭いスペースでも収納しやすいし、さっと取り出してちょっとだけ使うという使い方もしやすいですからね。

クリーナーの機種選定については、本人の希望より親御さんのプッシュが大きいです。「どうせキャニスターだと掃除しなくなるから、スティックにして掃除くらいコマメにしなさい」というわけです(笑)

――思い当たるフシがありますね(笑)

一点豪華主義なら女性はキッチン家電、男性はテレビ

和泉氏:一人暮らし経験のある親御さんも多いですからね。実体験に勝るものはありません。ほかには、電子レンジも引き合いは高いですね。ただ、さまざまな機能が付いているものではなく、温めるだけなどの単機能を求める人が多いです。自炊しない人でも、お弁当を温めるくらいはしたいということですね。

料理好きなら、思い切ってオーブンレンジを購入するというのもアリです。お菓子作りを趣味にしている女性は少なくないですし、一点豪華主義でここにお金を掛ける方もいます。一方、男性でオーブンレンジはあまりいませんね。

男性の場合は、何か一点に予算をかけたいというときは、テレビを選ぶことが多いです。映画好きだったりすると、奮発して32インチや42インチを導入することもあります。もちろん、女性でもそういったケースはありますが、傾向としては男性の方がテレビにお金を掛けます。

ただ、実はテレビに関しては、新生活での一括購入に含める人は減っています。購入対象にするのは6割くらいでしょうか。

  • テレビを含まないセット提案も普通に並んでいます

――最近の若者はテレビを見なくなっているからですか? でも、そんなに少ないのですか?

和泉氏:テレビをあまり見なくなってきているのもありますが、スマートフォンやPCのディスプレイで観るという人が増えています。あとは実家で、すでに自分専用のものを使っている場合、それをそのまま一人暮らしの部屋に持っていくから改めては買わないというケースが多いです。

――なるほど。自室のテレビがあれば確かにそれでいいですね。でも、PCは大学進学をきっかけに自分専用を導入する人も多いのでは?

和泉氏:PCに関しては、学校での推薦に従って生協などで指定の商品を買うケースもあります。

以前は、自分の目で見てより高性能な製品を購入したいという人もそれなりにいて店頭にいらっしゃいましたが、最近はPCの性能が底上げされていて、学校推薦のモデルでも十分なことが多いので、量販店の店頭まで来てこだわって買う人は減りました。

それでも自分で選びたいという人の場合、MacかSurfaceを買う人が多いです。デザイン系の学科や会社に進まれるのかもしれません。

スマートフォンはもう身近になりすぎていて、新生活でに合わせてそろえるものではなくなりました。

ほかには、扇風機やヒーター、空気清浄機、ドライヤーなども元々使っていた物を使うケースがあります。

――季節柄、タイミングが合わないかもしれませんが、コタツのニーズはあるんじゃないですか?

和泉氏:いいえ、コタツを買う人は減っています。実家でのライフスタイルが変化してきているということじゃないかと思います。

――時代の変化ですね……。新生活のまとめ買いで増えているものは何でしょうか。

和泉氏:調理家電は増えています。電気ケトルやトースター、炊飯器などを買われる方は以前より増えています。あとはアイロンですね。特に新社会人の一人暮らしでは、アイロンをそろえる人が多いです。

――最近は若者ほど身だしなみに気を使うと言われていますね。シェーバーなどの理美容家電もそうですか?

和泉氏:シェーバーはどの世代でも買う人は買いますが、その他の理美容家電は年齢層で別れます。グルーミングは20~30代のみで、40代以上はあまり買いませんから。シェーバーはT字カミソリなどで代用できることもあって、新生活でそろえるのではなく、折を見て買う感じです。あとはギフトなどで選ばれたりするケースは増えてきていますね。