この春、大学入学や就職をきっかけとして、親元から離れ一人暮らしを始める学生も多いのではないでしょうか。ぜいたくはさせられないが、必要なものはきちんとそろえてやりたい。そんな親心に寄りそう家電の選び方を、家電販売のプロフェッショナルに聞いてきました。
冷蔵庫と洗濯機は、一人暮らしを始めるときに一緒にそろえるのがオススメ
一人暮らしを始めると、当たり前ですがこれまで家族と共有してきたものを一人で使うことになります。家電や家具はもちろん、風呂もトイレも玄関も、基本的にすべて一人用。気兼ねしない代わりに、実家の子供部屋には必要なかった、たくさんのものが、部屋の中に入ってきます
実家では置けたものが一人暮らしになると置く場所がない、なんてことはよくあります。このため、必要最小限から始めて、置けるスペースを確保してから物を増やしていくのが理想です。
では、最初にそろえておくべき家電とは何でしょうか。それはどうやって選べばよいのでしょうか。
ヨドバシカメラ マルチメディアAkibaのコンシェルジェ マーケット・イノベーター グループリーダーの和泉伸明氏に聞きました。
――まずは一人暮らしで最初にそろえておきたい家電を教えてください。
和泉氏:必要性が高いのは冷蔵庫や洗濯機などの大型家電です。クリーナーや電子レンジ、テレビなどをそろえる方は多いですが、家電は代用が効かないものほど重要度が高いです。しかも大物家電の搬入と設置は面倒なので、冷蔵庫と洗濯機は引っ越しに併せて最初に済ませてしまうのが効率的です。
代用が効かない家電としては、実は照明器具が筆頭にあげられます。ただ、最近の賃貸では照明やエアコンが最初から備え付けられていることも多く、場合によっては、家電一式がそろっているケースもあります。このため、一人暮らしで照明まで購入される方は実は多くありません。
――まずは冷蔵庫や洗濯機からそろえるのがオススメということですね。でも、冷蔵庫と洗濯機にもいろいろな製品がありますが、どうやって選べばよいでしょうか。
和泉氏:冷蔵庫は400L以上の大型は必要ありません。学生の一人暮らしは自身のライフスタイルがまだ確立されていないので、多くは200L前半か150L前後に落ち着きます。例えば、お酒にはまって冷蔵庫の中がビールやチューハイの缶でいっぱい……という方もいると思いますが、実家にいるときからそうなると分かっている方は少ないですから(笑)。
自炊する目標を立てていたり、お弁当を作って持っていく、あるいは料理を趣味にするといった人なら、200L以上は欲しいですね。
一方、洗濯機は5kgか6kgの縦型が主流です。学業やアルバイトで忙しくなる予定なら、一度にたくさん洗いたいというニーズも出てくるので、7kgや8kgだと便利だと思います。複数回に分けて洗濯するのはなにかと面倒です。まとめて洗うには容量を大きくする方が便利だと思います。
女性の場合、外干しできそうにない環境なら、ドラム式を選んで気軽に乾燥できるようにするのもいいでしょう。ただ、ドラム式は初期投資が必要になりますね。