近年、働き方改革に取り組む企業が急増している。その裏には過度な労働時間、硬直した人間関係、企業による内部留保による労働条件の悪化などといった“負の要素”がある。こうした労働環境を見直す意味で改革に取り組んでいる企業も多い。
働き方改革は、当初は「ノー残業デー」や「勤務時間の時短」、「リフレッシュ休暇」などの考え方が主流だった。それが、少しずつ姿を変えてきている。
働きやすいオフィス空間を庭球する企業が増加
たとえばオフィス空間。高度経済成長期からバブル期にかけては、島形にデスクをレイアウトし、その端に上長の席があるというスタイルだった。それプラス、小分けにした会議室や打ち合わせルームを併設させ、ミーティングをそうした空間で行うというのが、現在まで続く主流のオフィスだ。
ただ、ここにきて、少しずつ変革の波が押し寄せている。その最たる例がABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング)だろう。これは、自分のデスクや席を用意されながら、集中したいときはコワーキングスペース、軽く雑談したいときはスタンディングテーブルといったように、自由に働き場を選べるオフィス。米グーグルで導入されていることで知れわたってきた。コクヨといったオフィス什器のメーカーも推奨している。
さらに面白いのは、「キャンピングオフィス」という取り組みが少しずつ浸透してきていること。2017年の秋、川崎市や東急電鉄、スノーピークビジネスソリューションズが中心となって多摩川の河川敷にテントを設営し、流域の企業がそこで打ち合わせなどを行うという試みを取材した。まだ、実証実験という段階だったが、テント内で打ち合わせなどを行った参加企業からの評判は上々だった。