2016年11月に、仁川執行役員から4種類のキーボードの試作品を見せられたことがあった。そのひとつが、LIFEBOOK UH/B3シリーズに搭載されているものだった。 ここで採用した考え方は、「確実に書けるキーボード」を実現するために、「押したと感じたら入力が出来ている」というものだった。
富士通クライアントコンピューティング 事業本部 法人モバイル事業部 第一技術部マネージャーの藤川英之氏は、「押したいときにだけ押せる適度な荷重を持ち、押したと感じる領域で入力を検出し、押し抜く深さを感じる長めの押し下げ感領域を設けることで、入力の感覚と、オン検知(入力判定)の一致感を向上させることを目指した」と説明する。
同社では、入力によるキーへの荷重、入力の検出、ボトムまで押下げたあとの動きを、押下荷重や押下量として曲線で描き、「確実に書ける」ためのカーブを導き出した。このカーブに近づけることが、最適なキーボードと位置づけたのだ。このカーブのベースになっているのが、Libertouchということになる。
実際に、LIFEBOOK UH/B3シリーズを使用してみたが、「抜ける」ことは確実になくなった。キーの四隅を押しても確実に入力することができ、安心して、ストレスなく打ち込めるキーボードになっている。そこで、1月9日(現地時間)から米ラスベガスで開催されたCES 2018に、LIFEBOOK UH/B3シリーズを持ってきた。
記者会見には持ち込めないキーボードから、海外取材に持ち出せるキーボードを備えたノートPCになったのだ。そうなると、世界最軽量という魅力は最大限に発揮されることになる。
だが、この新たなキーボードの開発は、試行錯誤の連続だったという。