トランプ政権と上手くやっていけるか

アップルに限らずシリコンバレー企業は、そのビジネスや思想的に、トランプ政権の政策と対立しがちだ。環境政策、移民政策、税制問題など、主要な政策での対立は、シリコンバレーでの成長と無縁だった米国の人々がトランプ大統領を支持しているという構造的な問題にもつながる。

そうした中で、アップルは、税制改革による資金の米国環流のメリットを得つつ、トランプ大統領が目指す製造業の米国回帰に、同社に意味がある形で応えていこうとしている。 2017年、アップルは先端製造業ファンドを立ち上げ、すでに米国企業への投資を実施している。米国内での投資と雇用創出をアピールすることが狙いではあるが、iPhoneなどで利用されているガラスを製造するコーニングや、光学技術企業への投資は、同社の未来の製品に直結している。

今後、プロセッサやディスプレイなどの製品の主要パーツが米国内での生産に移されたり、Mac Pro以外のなんらかの製品を米国内で組み立てる施策を打ち出すこともあり得るだろう。そうした政治との関わりについても、興味深いテーマであり続ける。