キーアイテムはスマート冷蔵庫?

テレビを離れると、2016年にデビューしたスマート冷蔵庫「Family Hub」シリーズに、2018年の新モデルが追加されます。今度はなんと一気に14モデルを追加。「ホームエンターテインメントの中核をリビングだけでなく、キッチンにも」という、サムスンのライフスタイル革命のメッセージがさらにヒートアップしてきました。

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    こちらは本体にタッチパネルディスプレイとTizen OS、そしてBixbyの音声アシスタントを搭載するFamily Hubの2018年新モデル

新しいFamily Hubは音声アシスタントにBixbyを採用します。家族の声紋を認識できるので、一人ひとりのカレンダーや、それぞれの好みに合わせた動画/音楽の再生を、キッチンやダイニングで手軽に楽しめるようになります。なお最上位機には、高級ヘッドホンやイヤホンでお馴染みのブランド、AKGが音をチューニングしたスピーカーがフロントドアに内蔵されます。

ちなみにスマート冷蔵庫もSmartThingsのIoTデバイスと連携します。例えば、インターホンのカメラで撮影した家の外の様子を冷蔵庫で確認したり、照明を音声コントロールでオンオフしたりといったことが可能になります。

コネクテッドカーにも本腰

コネクテッドカーに関する今後の戦略についてもメッセージがありました。2019年に商用化を予定している次世代高速通信技術「5G」にいち早く対応する車載エンタテインメントを、グループ企業であるハーマン・インターナショナルとともに本腰を入れて開発していく、という内容です。

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    サムスンとハーマンの協業によりオートモーティブにもスマート機能が広がります

カンファレンスではコンセプトの紹介に止まりましたが、例えば自宅にいながらコネクテッドカーのエンジンをかけたり、エアコンの温度を最適化したりできそうです。ハーマンがデザインした、インパネ全面に広がる「デジタルコクピット」のディスプレイには、スマホやスマートスピーカーなどの通知が表示されます。車中でBixbyによる音声コントロールもできるようになるので、スマホなどのハンズフリー操作がより手軽になり、より安全なドライブが楽しめるようになるでしょう。

146型の大型テレビ!?

そして最後にもうひとつ、CES 2018でサムスンが発表した興味深いテクノロジーを紹介しておきましょう。少しテッキーな内容になりますが、自発光方式のディスプレイデバイスである「Micro LED」を搭載する複数のパネルを敷き詰めた146型の大型テレビ「The Wall」です。

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    Micro LEDをディスプレイデバイスに採用したThe Wall

いまコンシューマー向けテレビの次世代技術として有機ELが注目されていますが、Micro LEDはさらにその先を行くディスプレイ技術の一つと言われています。目に見えないほどの"マイクロサイズ"LEDを敷き詰めたパネルは、通常の液晶パネルで使われるバックライトやカラーフィルターが不要なので、より鮮やかで輝度の高い映像が再現できるほか、デバイスの低消費電力化・薄型化をもたらすと言われています。

The Wallは複数の峡額縁パネルをタイル状に並べたモジュラー構造を採用しているので、今回発表した146型のテレビだけでなく、大小のスケーラビリティを確保していることも特徴です。カンファレンスに実物のテレビが持ち込まれませんでしたが、その映像がどれほど鮮やかで豊かなものなのか、CES本会場のブースでチェックするのが楽しみです。