iPhoneのグローバルスマートフォン市場でのシェアは12~15%で安定して推移している。それ以外はAndroidスマートフォンで占められているが、廉価版からハイエンドまでを揃えるSamsungが25%前後、中国のHuaweiが10%強という勢力図となっている。しかし、これも長年指摘されていることだが、Appleはスマートフォン市場の利益の9割以上を確保しており、一部の企業の赤字分を含めると、利益シェアは100%を超える。それだけ、高付加価値のスマートフォンを販売し、ブランド力を誇示しているのだ。
2017年のiPhoneの平均販売価格は650ドルから695ドルで推移してきている。iPhoneの平均販売価格には、iPhone 7に加え、価格が最も安いiPhone SEや、併売中の旧モデルであるiPhone 6、iPhone 6sも含まれている。過去のモデルは当然iPhone 7よりも100ドル、200ドル安い価格が設定されており、iPhone SEは349ドルからと、最新モデルより300ドル安い。こうした廉価版のモデルを含めても、平均販売価格がiPhone 7 32GBモデルの649ドルを上回っていた点は驚異的といえる。iPhone 7であれば100ドル以上価格が高いより大きなストレージのモデルが選ばれており、またiPhone 7より120~320ドル価格が高いiPhone 7 Plusに人気が集まっていたことの表れといえる。
個人的には、128GBモデルのiPhone 7 Plusは絶妙な選択肢だった。デュアルカメラでポートレートモードを楽しみたい。でも32GBだと容量が心許ない。iPhone 7よりも220ドル高いiPhone 7 Plus 128GBという存在は、いろいろな意味でちょうど良さがあったように感じる。それに対してiPhone 8のラインアップを見てみると、そのちょうど良いレンジがなくなってしまったように感じる。ユーザーは64GBか256GBを選ばなければならなくなる。このことが、iPhone1台あたりの平均販売価格にどう影響を与えるのかは、2018年第1四半期決算(2018年1月末以降に発表される)を待たなければならない。