12月13日から15日にかけて東京ビッグサイトにて開催されているエレクトロニクス製造サプライチェーン総合展示会「SEMICON Japan 2017」において、ディスコはレーザー加工を活用したインゴットスライス手法「KABRA(Key Amorphous-Black Repetitive Absorption)」プロセスを完全フルオートメーションを実現する「KABRA!zen(ゼン)」や、効率的なウェハ加工処理を実現する並列加工搬送システムなどの参考出展を行っている。
KABRA!zenは、レーザー照射、剥離、指定厚仕上げ研削、インゴット上面研削工程の全自動化により、SiCウェハ生産のスループットを約50%向上させることを可能にしたもの。また、うねりの少ないウェハスライスが可能になるとのことで、200mmウェハの場合で、吸着固定した際の厚さ(裏面基準平面からの距離)の最大値と最小値の差であるTTVは1.6μm、ウェハを自然状態で保持した時の形状パラメータであるWARPは6.1μmを実現でき、最薄80μmまで切り出しが可能だとしている。さらに、生産量や面仕上げの諸条件などに応じて装置数をカスタマイズすることも可能なほか、すでに販売されているマニュアルタイプのKABRA専用機「DAL7420」にも、後付けで導入することが可能だという。
一方の並列加工搬送システムは、ウェハを1枚ごと1台の搬送カセットに搭載して搬送することで、複数のダイシングソーが、自己の仕事量を見計らいながら、並列で加工を行うことで、スループットの向上を図ろうというもの。これにより、ウェハの振り分けミスを低減できるようになるほか、low-k膜付きウェハのダイシングのように、レーザーソーでlow-k膜を除去後にブレードダイサで切断するような複数プロセス装置での連続加工も可能になるという。
このほか、同社ブースでは、300mmウェハ対応フルオートマチックダイシングソー「DFD6561」も参考出展している。同装置は、2012年に同社が発売したダイシングソー「DFD6560」のマイナーチェンジ版で、従来機種「DFD6362」と比べ、フットプリントを16%削減したほか、側面メンテナンスエリアの不要化したほか、新型の高剛性スピンドルの採用による加工安定性の向上、ブレード消耗量の高精度、高速測定の実現、ダイシング加工軸(X/Y/Z)の同時制御の実現などを実現したものとなっている。