半導体市場調査会社である米IC Insightsは、2017年上半期の半導体売上高トップがIntelではなく、Samsung Electronicsであると報じていたが、2017年通年でもSamsungがIntelを抜き、半導体売上高トップになるとの見通しを11月20日(米国時間)に発表した。

Samsungは、四半期別の半導体売上高にて2017年第2四半期以降Intelを抜いていたが、今回の第1~3四半期の実績値に第4四半期の予測を加味した通年の売上高予測でも、その勢いは変わらないとIC Insightsでは見ている。この結果、Intelは1993年にトップの座について以来、20年以上にわたって維持し続けてきたが、ついにその座をSamsungに譲ることになる。

  • 世界半導体企業売上高ランキング・トップ10の変遷

    世界半導体企業売上高ランキング・トップ10の変遷(1993年、2000年、2006年、2016年(いずれも実績値)および2017年(予測値)。ファウンドリは除き、IDMとファブレスを含む)。各年の左から、順位、企業名、売上高(単位:10億ドル)およびマーケットシェア(%)。下側の2段は上から、トップ10社売上高の合計(単位:10億ドル)とマーケットシェア(%)、最下段は世界半導体市場全体の売上高合計(単位:10億ドル)およびマーケットシェア(100%) (企業名の右の(1)はその企業がファブレスであることを示す) (出所:IC Insights)

2017年の半導体市場規模は4300億ドル超の見込み

Intelは1993年、半導体市場シェア9.2%を獲得し、NECを抜いて世界トップの座に躍り出た。23年後の2016年にはそのシェアは15.6%にまで拡大し、シェアトップを維持していた。しかし、2017年のシェアは13.9%に下がる見込みである。これに対してSamsungは、1993年にはわずか3.8%であったものが2000年には4.8%、2006年には7.3%、2016年には12.1%と徐々にシェアを高めてきており、2017年に15.0%へ上昇する見込みだという。

そのため、2017年のSamsungの半導体売上高は、前年比48%増の656億ドルに達する見込みなのに対して、Intelは同7%増の610億ドルに留まり、その差は46億ドルと予測される。Samsungの同48%増という成長率は、いわゆるメモリバブル(2016年後半以降、長期におよぶDRAMやNANDの価格高騰)によるところが大きい。

半導体売上高トップ10の合計金額は、半導体産業全体の58.5%を占めており、1993年以来、最高額となる見通しだ。また、半導体市場全体の規模も、2016年の3656億ドルから、前年比20%増の4385億ドルに到達し、史上最高値を更新する見通しである。

その順位であるが、メモリ大手の韓SK Hynixと米Micron Technologyがメモリバブルの恩恵で、2017年の順位を前年から2つずつ上げて3位と4位となり、トップ5社中3社がメモリメーカーが占める結果となる。また、トップ10の新顔として、NVIIDAが9位にランクインする見通しであり、その売上高は前年比44%増の92億ドルに達すると予想されている。ディープラーニング用途でのGPUの採用が進んだことが後押しとなった。代わってトップ10から脱落することが確実なのが、台湾MediaTelである。同社は、すでに2017年第1四半期のランキングの時点でリストから消えているが、背景には中国スマートフォン向けプロセッサの不振があるという。

2017年のトップ10社に入るためには92億ドル以上の売り上げが必要で、さらにトップ6社に入るには、売り上げとしては170億ドルを超す必要がある。6位にランクイン見通しのQualcommが、買収予定のNXP Semiconductorsの売上高をすべて加味できれば、その売上高は263億ドルとなり、ランキングとしては3位になる。また、そのQualcommとBradcomが買収しようとしているが、この3社の売上高を合算すると、439億ドルとなる。しかし、その規模になっても、トップを争うSamsung、Intelとの差は大きく、トップ争いに加わることができないこととなる。

なお、トップ10中、7位の米Texas Instrumentsと8位の東芝の順位は2016年と変わらない。また、NXPは、トップ10社中、唯一売り上げを減らしており、その規模は2015年末のNXPが旧Freescale Semiconductorを買収した際の合算額120億ドルを大きく下回る結果となっており、この傾向はかつてのルネサス エレクトロニクス(ルネサス テクノロジ)と同じパターンとなっている。