音楽アプリゲーム『8beatStory♪』初の朗読イベント「8beatStory♪ 第1回リーディング&ミニライブ企画 ~真夏の海に刻まれた物語~」が、2017年8月19日に一ツ橋ホールにて開催された。今回は、演者とキャラクターのリンクをひしひしと感じた本イベントの夜の部についてレポートする。

タイトルロゴ

まずはミニライブからスタート!

『8beatStory♪』(エビスト)は、近未来の学園を舞台に、夢・目標を持つ女の子たちが仮想空間で行われるアンドロイドとの「音楽バトル」に挑むという、音楽アプリゲーム。そのゲームから誕生した「8/pLanet!!」(ハニプラ)は、メインキャラクター8人を演じる声優によって構成されたグループで、「ゲームに出てくる8人のキャラクターと、現実世界でも会える&ふれ合える」をコンセプトに活動している。

今まではライブを中心に活動してきた「ハニプラ」が、初めて臨んだ芝居をメインとした本イベントの登壇者は、桜木ひなた役の社本悠、水瀬鈴音役の吉井彩実、神楽月(あかり)役の吉岡美咲、橘彩芽役の青野菜月、姫咲杏梨役の金魚わかな、源氏ほたる役の吉村那奈美、メイ役の澤田美晴の「ハニプラ」メンバー7人と、理事長(白鳥ロクサレーヌ慶子)役の立花理香。駆け付けられなかったもう一人の「ハニプラ」メンバーである星宮ゆきな役の和氣あず未は、声のみでの出演となった。

(下段左から)吉岡美咲、社本悠、吉井彩実(中段左から)金魚わかな、青野菜月(上段左から)吉村那奈美、澤田美晴、立花理香

イベントがスタートすると、まずは澤田と立花が舞台へ登場。メイと理事長のデュエット曲である「学び舎の空に」を歌唱した。立花が『エビスト』のイベントに出演するのは、今回が初めてとなる。以前マイナビニュースでお話を伺った際は「大丈夫かなというドキドキ感がまだ大きい」と心境を吐露していたが、そんなことは微塵も感じないくらいに堂々と、理事長らしい凛とした表情で歌い上げた。

対する澤田は、「お姉ちゃんみたい」だと慕う立花と歌うことが嬉しい様子。そんな二人が目を合わせるパフォーマンス、そして奏でるハーモニーは、頼り、頼られるメイと理事長の関係を体現しているようであった。

二人の歌声が優しく会場を包み込んだ後に登場したのは、吉岡、青野、金魚の3人。綺麗なメロディーで奏でられる「Tiny Little Letter」を披露した。「ハニプラ」は激しめのダンスも特徴のユニットだ。今回はそれほど大きなパフォーマンスを取ることはなかったが、足運びや腕の動き、そして表情の作り方が絶妙で、むしろキレの良さやパフォーマンス力が際立っていた気がした。大きな動作がないことでよりハッキリ分かったダンスのクオリティの高さ。開演して10分程度ではあったが「ハニプラ」の真骨頂を感じることができた。

朗読劇もコンテンツのコンセプト通りに

2曲の披露が終わると、ここで全出演者が舞台に登場。出演者が登壇した際にまず目に入ったのは「衣装」だ。いつもはライブ衣装や学生服に身を包むことが多いが、今回はメンバー全員が白を基調とした夏らしい装いで登場。しかも、各キャラクターをイメージした色やモチーフのアクセサリーをそれぞれが付けたり、衣装もそれぞれで少しずつデザインが違ったりするなど、細部にまでこだわりが見られた。

そんなこだわりの衣装に身を包んだ登壇者たちは、まず駆け付けた先生方(『エビスト』のプレイヤーのこと)へ挨拶。その流れのまま本イベントのメインとなる朗読劇のコーナーへ移行した。朗読劇は前半と後半パートに分けて行われ、内容は以下の通り。

朗読劇の内容

アンドロイドたちの音楽が中心となってきている世界で、「生の歌声を届けることでしか生まれない感動を広めたい!」という想いを持つ「ハニプラ」のメンバーが、更に力をつけるために強化合宿へ(ゆきなは仕事のため、合宿に参加できず)。しかし、「ハニプラ」メンバーたちを勝利へと導いてきた「先生」は夏期講習などの仕事があり参加できず、代わりに理事長が引率することになった。

合宿では「ハニプラ」と同じような想いを持つヒューマンサイドのチームも全国から集まり、そのチームたちとの結束を固める、また他チームのパフォーマンスを見て学ぶことも合宿の目的の一つであった。

全国から集まったチームとは、ライブバトルのエキシビションマッチがトーナメント形式で行われることに。運営側は全国配信中継も行われるそのライブバトルをより盛り上げるため、一組のアンドロイドの参加も特別に許可していた。しかし、そのライブバトルは裏である陰謀が動いていた……。

ゆきなからの報告もあり陰謀をいち早く察知した理事長は、未来からタイムスリップしてきたアンドロイドであるメイに何が起きているのか、そして何が起きるのかを聞く。しかし、メイは「知らない」の一点張り。その言動には、アンドロイドでありながら、生の歌声の良さを知り、ヒューマンサイドでアンドロイドとライブバトルを行うメイらしい理由があった……。

今回の朗読劇は、キャラクターの個性が浮き彫りとなっていたのが印象的であった。例えば、合宿中のリーダーを任されたひなたは、「アイドルになる夢を追い続けている」ピュアで、音楽が純粋に好きな女の子。今回の朗読劇で描かれた、アンドロイドの音楽も受け入れる姿勢や、同じ想いを持つヒューマンサイドのチームと戦うことを躊躇するという描写は、まさに彼女らしさを感じるワンシーンであった。また、今回の物語の鍵となったメイは「音楽の未来を変える」という目的を持つアンドロイドであり、その想いの強さが今回の物語でハッキリと描かれていた。

リーディングイベント用のイラスト

今回の物語ではゆきなも活躍!

そんなキャラクターの個性を立花含む演者が舞台でしっかりと体現する。絆の深い彩芽、杏梨のように、舞台上で何度も目を合わせ時には微笑む青野と金魚をはじめ、演者の誰もが「キャラクターと現実世界でも会える&ふれ合える」をコンセプトにしている作品らしく、キャラクターと向き合い、表現しているようにも感じられた。それは、もしかすると役者なら当然のことなのかもしれない。

しかし、目をつぶってもそのキャラクターがその場で喋っているように感じた彼女たちの声や言葉からは、演技力ではない、特別な力が働いているようにも感じられた。ライブではない、演技でそう感じたのは、コンテンツ始動から付き合い続けているキャラクターとメンバーが向き合ってきた結果なのだろう。キャラクターと共に成長していく彼女たち、そしてコンテンツの今後がさらに楽しみとなった朗読劇であった。

なお、朗読劇の前後半の間には「自分以外のキャラクターのコール&レスポンスを考えよう」という企画も行われた。本来は別のものが用意されていたとのことだが、昼の部で行った「自分のキャラクターのコール&レスポンスを考えよう」の企画が予想以上に盛り上がり、夜の部も同じような企画を行うことになったとのこと。

この企画では、「ハニプラ」のセクシー担当・杏梨のコール&レスポンスを考える演者が多く、金魚が何度もコール&レスポンスをやることに。さらに、巻き込まれる形で、司会だったはずの立花もセクシーなコール&レスポンスを行っていた。

本コーナーの最後には、吉村が考案した「セクシーなの? キュートなの? どっちが好きなの?」というコールに先生方が「どっちも好きだよ」と応えるコール&レスポンスを行うことに。本来は金魚と立花、社本で実践する予定だったが、セクシー担当、キュート担当の割が合わないということで、最終的には演者全員でやる運びとなる。混沌とした状況ではあったが、全員でやったことで大団円となり、コーナーが終了した。

会場が一気にライブ空間へ

朗読劇の後には、再びミニライブが行われた。一曲目の「DREAMER」は「ハニプラ」メンバーが夢見るみんなを応援する曲で、今回は理事長役の立花も本曲に参加。イントロの手拍子、サビでの横降りなど、メンバーと先生方が一体となるのが特徴の本曲は、会場を一気にライブ空間へと変えた。

「DREAMER」が終わると、登壇者が駆けつけた方々へ挨拶。そして、登壇者が舞台からはけてここでイベント終了かと思われたが、理事長の「特別に、もう一曲ライブしていらっしゃい」のアナウンスと共に「ハニプラ」メンバーが再び登場し、「それゆけ!乙女のミッション」を元気に、そして楽しそうに歌い上げた。

まだまだ熱が冷めない会場と「ハニプラ」メンバー。これではまだ終われないということで、続けざまに真夏のイベントに相応しい「Lovely Summer」を熱唱した。最後のライブコーナー3曲は終始盛り上がりを見せ、大盛況のままイベントは終了の時間を迎えた。

初めてとなる朗読劇で、さらなる進化をみせた『エビスト』と「ハニプラ」。11月12日には3rdライブが行われるが、そこでは強化合宿を経て成長したキャラクターたちと同じように、さらなる力を付けた彼女たちを見ることができるだろう。

(C) Chronus Inc. All Rights Reserved.