LINEに残された懸念

ひとつ懸念があるとすれば、月間アクティブユーザー数の動向だ。LINEは日本、台湾、タイ、インドネシアを主要4カ国と定めているが、前四半期にこの総数が初めて減少した。日本はわずかながらも伸びており、減少しているのは海外となる。海外では広告配信の本格化なども含めてこれからが書き入れ時になると見られ、2四半期連続で減少したこの数値は見過ごせないものがある。

主要4カ国におけるMAUの推移(画像:LINE決算資料より)

しかしながら、決算説明コールでは、LINEの出澤剛社長は、依然として主要4カ国を重要視していることに変わりないとする。同氏のコメントでは、LINE LIVEのドイツでの展開が決定したこと、SNOWが日本以外の地域でMAUを伸ばしているということだった。

現時点では、運用型広告の有効活用により、LINEが業績を伸ばす余地はまだまだありそうだ。ただし、中長期的には、LINEアプリのユーザー基盤を何らかの形で増やすなど、別の取り組みも必要になると思われる。