Adobe XD 1.0のおもな新機能

バージョン1.0のリリースにともなって追加されたおもな機能としては、以下のようなものが挙げられる。これらの機能はAdobe MAX 2017の基調講演でも大々的にデモが行われた。

パフォーマンスの向上

Adobe XDの特徴のひとつに高いパフォーマンスがある。大量のアートボードや画像を含んだファイルでも極めて軽快に動作する。Adobe MAX 2017の基調講演ではAdobe XDのデモも披露され、そのパフォーマンスについて「光のような速さ」と表現されていた。

これだけ大量の画像を含んでいてもサクサク動く

CCライブラリのサポート強化

Creative Cloudライブラリによって画像やスタイルをシームレスに共有できる点は、Creative Cloudのデザインツールの大きな強みである。Adobe XDでも2017年8月のアップデートでCCライブラリがサポートされたが、共有できるのは文字スタイルとカラーのみだった。それに対して1.0では画像を共有することもできるようになった。

PhotoshopやIllustractorで作成した画像をCCライブラリに登録すれば、それがAdobe XDのライブラリパネルにも表示され、ドラッグ&ドロップで画面に貼り付けることができる。リンクとして貼り付けた場合には、他のツールで元の画像を編集すれば、それがAdobe XD側にも自動で反映される。

CCライブラリでの画像共有

アセットパネルでの一括スタイル変更

アセットパネルにおいて、アプリ全体で使用されているカラースタイルを一括で変更できるようになった。これは、アセットに登録したカラーを編集すると、そのカラーを適用している部分すべてに変更が反映されるというもの。これによって、共通で使用しているようなパーツに対する修正が容易になる。

プロトタイプモードでの画面遷移プレビュー

プロトタイプモードでは、アートボードとアートボードを線で繋ぐことによって画面遷移を表現することができる。1.0では、プレビューボタンでこの画面遷移を確認できるようになった。スマートフォンでの実機プレビューにも対応し、iOS/AndroidのAdobe XDアプリを使うことで、実際のデバイス上での動作も確認できるようになっている。

次に追加される予定の機能

Adobe MAX 2017では、Adobe XDに対して今後追加が検討されている新機能に関する発表も行われた。直近で予定されているものとしては次のようなものが挙げられている。

・レイアウトグリッド
・デザインスペックの出力
・PublishメニューのUIの再設計
・etc…

グリッド表示については、現在は正方グリッドのみサポートされているが、将来バージョンではより柔軟なレイアウトグリッドが利用できるようになる予定。グリッドの大きさや配置に関して細かな設定が可能なほか、アートボードのサイズに応じて最適なグリッドを表示したり、色を変えたりすることなどもできるとのことだ。デザインスペックについては、プロトタイプの画面遷移の導線や各種スペックをブラウザ上で確認できるようになる。

待望のレイアウトグリッド

これらの機能についてはできるだけ早いリリースで導入される予定となっている。Joan氏曰く、「Realy realy soon」とのことだ。

そのほかにも、アドビシステムズの公式チャンネルであるAdobe Creative Stationのエントリ「Adobe XD CCに今後追加される機能は? 」において、現在検討されている新機能のいくつかが紹介されている。

ここに挙げられているもの以外にも多くの機能追加が検討されているが、まだようやく1.0がリリースできたばかりの段階なので、個々の機能がいつ追加されるかについては明言できないという。

新機能の優先度をどのように決めているか

個々の新機能について明言できないとのことだったので、全体として開発の優先度をどのように決めているのかを聞いてみた。

Adobe XDチームの開発担当者によれば、ユーザからのフィードバックが、優先度を決めるにあたり極めて重要だという。UserVoice.comにAdobe XDチャンネルが開設されており、そこでユーザからの意見や要望、バグ情報などを集めている。UserVoice.comでは他人の投稿に対して賛成票を入れることもできる。XDの開発チームはここでどんな要望が賛同を集めているかをチェックし、賛成票の多いものについては優先度を上げて対応するようにしているとのことだ。

XDチームはユーザの声に真摯に対応する方針を重視しているとのことで、もし何か要望や新しいアイデアがある場合には、UserVoice.comやSNSなどを通じて積極的に意見を言って欲しいと呼びかけている。

「Adobe XDの開発はステップ・バイ・ステップです。1.0のリリースは決してゴールではありません」(Joan氏)