ソフトバンクがVRと通信ネットワークを組み合わせた新たなコンテンツを開発している。まだプロトタイプではあるが、15日にはVRゴーグルを装着して対戦する新作ゲーム「WARP BALL」(ワープボール)が一般に公開された。

ソフトバンクが開発した対戦するゲーム「WARP BALL」。VRと通信ネットワークを融合させる試みだ

WARP BALLは、VR空間に広がるフィールドで行われる1対1の対戦スポーツ。空間に浮かぶ「光のボール」をバットあるいはグローブで打って相手ゴールを狙う。分かりやすく既存のゲームに例えるなら、ゲームセンターでおなじみの「エアホッケー」のVR版といったところだろうか。現在、「テレビ朝日・六本木ヒルズ 夏祭り SUMMER STATION」(7月15日~8月27日)において、来場者向けに展開している。対象年齢は13歳以上。

プレイ画面のイメージ。バットやグローブで打った光のボールが、相手ゴールに入れば得点になる。5点先取するか、3分間内で得点が高かった人の勝ち

ソフトバンクがグループ内で開発した本作。その狙いについて、同社 商品広報部の伊東史博氏に聞いた。開発期間は、構想段階も含めて1年ほど。通信ネットワークのインフラを活用できる「何か新しくて面白いこと」を追求する中で、VRゲームというカタチに落とし込むことが決まった。「大元のコンセプトは、ITを使って人と人とのコミュニケーションを図ることでした。スポーツを絡めた対戦型のVRゲームなら、遠く離れている人とも通信で繋がることができます」と伊東氏。もっとも、ゲームはまだ開発段階。遠く離れたプレイヤーと通信でつながれる日は、しばらく先になりそうだ。

頭にはヘッドセットを、両手と腰にも専用バンドを装着。マーカーのついたバットを振り回して、光のボールを打ち合う。足元にも、前後左右に体重移動できる工夫があった

混雑具合は日によっても異なるが、1日に平均120名ほどが訪れてプレイを楽しんでいるとのこと。ソフトバンクでは、ユーザーのフィードバックを集めて今後もWARP BALLの操作性などを改善していく予定だ。ただ、当然ながら本ゲームだけでビジネスにしようという意図はない。この取り組みで得た経験を、将来的に何か別のことに活かしていくという。

プレイヤーは円形のゲージ内を安全に自由に動くことができる(左)。ボールの行方については壁の反射も考える必要がある(右)。その意味では、スカッシュの要素も含まれている

ちなみに、対戦後に渡されるQRコードを読み取れば、写真(正確には光のボールが輝いている動画)をダウンロードできるようになる趣向だ。伊東氏は「夏休みの良い記念にもなると思います。是非、お気軽にお越しいただいて近未来スポーツを楽しんでいただけたら」と笑顔で話していた。

【動画】WARP BALLをプレイしているところ