ちょうどAppleが委託製造先4社との法廷共闘が明らかになる1日前、米国では、QualcommのCEO、Steve Mollenkopf氏へのFortuneのビデオが公開されている。
その中でMollenkopf氏は、Appleとの争いの根本について「特許ライセンス料の価格に問題があり、Qualcommにとって新しい種類の争いではない」と答えている。そして、過去の問題は法廷の外で解決されてきた、とも話しており、法廷での訴訟合戦の様相を呈している一方で、法定外の話し合いでの解決に期待する考えものぞかせた。
ただ、今回のAppleが、過去と同じような解決を図るかどうかは依然として不透明だ。
Appleは、Appleが開発した価値からもライセンス料を徴収しているところが「不当」だと主張しており、no licence-no chipの契約が、米国FTCや各国の公正取引委員会から問題視されている点も主張に含めている。
加えて、AppleはiPhone 7から、Qualcommのベースバンドチップに加えて、Intel製のチップも採用し始めており、既に4割の製品がIntel製へと移行している。Intel製のモデムの方が通信速度の面で性能が劣るが、その速度に合わせてスペックを作っており、Qualcommのチップの優位性をAppleが消し去っている状態だ。
ちなみに、Intel製のモデムを使う際でも、Qualcommに対する特許ライセンス料は支払っており、Qualcommのチップを使わずにiPhoneを作り上げることは、既に実現している。将来的にAppleが、Qualcommのライセンスだけを利用してiPhoneを製造する方向へと完全にシフトしても、なんら不思議ではない。