さて、今回新たにAppleが参画した訴訟のなかで、焦点となっているのは、Appleの製造委託先企業とQualcommとの間で交わされているライセンス契約に関してだ。
今回の訴訟に関して、委託製造先企業4社の代理人からは、次のような回答が得られた。 「5月にQualcommは、Compal、Foxconn、Pegatron、Wistronの4社に対して、Qualcommの違法なビジネスモデルに基づくライセンス契約を強要した。またQualcommは、4社のクライアントであるAppleに対して訴訟を起こし、Appleとの協業に対しての報復を意図している。今回の訴訟は、これに対する措置だ。4社はQualcommに対する主張と弁護を行うとともに、FTC(Federal Trade Commission:連邦取引委員会)や顧客、Apple、また世界中の公正取引委員会とともに訴訟の声を上げ、Qualcommの違法なビジネスモデルに対して、その是正に参画していく」
「no license-no chips」と呼ばれる契約形態によって、ライセンス契約とチップ供給契約が抱き合わせとなっており、製造委託先はQualcommからチップ供給を受ける以外の選択肢を狭められてしまっているというのがその主張だ。これまで本稿でも触れてきたQualcommの不正と糾弾されるビジネスモデルの中身となっている。
一方のQualcommは、同社の特許技術を尊重するビジネスモデルとして、問題がない点を主張してきた。