あきんどスシローが昨年11月に発足させた「世界の海からいいネタ100円PROJECT」。世界各国でとれた厳選ネタを1皿100円で提供するプロジェクトだ。素材調達の苦労が多い企画だが、一時的なプロモーションなのか、永続的な取り組みなのか。

あきんどスシローの水留浩一社長

第7弾まできた厳選ネタプロジェクト

「世界の海からいいネタ100円PROJECT」は、世界各国でとれた厳選ネタを1皿100円、期間限定で提供するプロジェクトだ。昨年12月発売のチリ産うにの「濃厚うに包み」を第1弾として、ニュージーランド産希少サーモンの「生キングサーモン」、アイルランド沖で育ったマグロを使った「天然本鮪赤身」など多数の商品を提供してきた。そして、6月9日発売の「黄金のとろ穴子」で第7弾商品となる。

6月9日発売の「黄金のとろ穴子」

7月21日発売の「本格・うなぎの蒲焼き」

7月21日からは第8弾商品として、中国広州で養殖した「本格・うなぎの蒲焼き」を発売予定、8月は第1弾からの復刻企画を予定、9月以降は、アラスカの天然紅鮭、カナダのオマールロブスターを使った商品を提供していくという。

同プロジェクトに関する説明を受けるのは2度目だが、いずれも商品もおいしく提供するための工夫があり、1皿100円で提供するための秘密がある。

「黄金のとろ穴子」の秘密

たとえば「黄金のとろ穴子」。使うのは、中国・黄海で水揚げされた穴子。外敵が少なく脂ののった肌目の黄色いものがとれやすい。とはいえ、希少な存在であり、水揚げされる穴子の5%程度しかいないともいわれる。良質な穴子だけを仕入れようとすると原価がかかり成立しないが、水揚げされたものを100円PROJECT用、通常用と選別することで、どうにか実現できた。

おいしくするための秘密もある。穴子の第一人者に協力を仰ぎ、加工工程を工夫。煮込みの段階で、温度を若干変化させることで出汁の旨みを浸透させる、ふわっとした食感を出せるようにしたという。

「黄金のとろ穴子」に使うのは下のとろ穴子

煮込み工程でしっかりと味付けをする

第8弾で使用するのは中国広州の養殖うなぎだ。素材調達のハードルは低いが、加工工程に工夫を凝らす。蒸し、焼き、たれ付けの3工程を提携先に設置した全長105メートルの専用レーンで行う。タレも酢飯に合うようにみりんを調整、タレ付けの回数にもこだわった。

専用レーンでしっかりうなぎを焼く

特殊加工でにがみを出さない焼き加減に