前述のように、強力なグラフィックス性能、処理性能を必要とするVRコンテンツ制作に耐えうる環境を、Appleは用意しなければならなかった。それは、昨年来続いているMac軽視、プロ軽視という批判を打ち消すためにも必須の条件であり、Appleはそうした声に「満額回答」で応えた格好だ。

グラフィックス機能が強化されたiMac

iMacの4K、5KモデルにはRadeon Proグラフィックスを標準とし、27インチモデルでは最大5.5テラフロップスのグラフィックス性能を実現した(フロップスは1秒あたりの浮動小数点計算の回数)。この処理性能で、VRコンテンツの快適な制作と消費の環境を提供できるようにしている。

さらに、意外だったのが、さらに処理性能、グラフィックス性能を高めたiMac Proの登場だった。iMacは親しみやすいオールインワン型のデスクトップパソコンだったが、そのプロ版という位置づけには若干の矛盾も感じたが。

ただ、優れたディスプレイとスマートなパッケージングのiMacの性能を強化してプロユースにするという手法は、コストパフォーマンスの高さから考えても、有効だろう。

12月に登場予定のiMac Pro

iMac Proには、最大で18コアのIntel Xeonプロセッサを選択することができ、Radeon VegaグラフィックスはiMacの倍の11テラフロップスの性能を実現する。年内に4,999ドルからという価格で発売されるが、そうした性能を求めるユーザーにとっては、お買得、と映るだろう。

そして2018年は、アップグレード可能なモジュラーデザインを採用する新型Mac Proの登場を控える。iMac Proに対して、プロセッサやグラフィックス、ディスプレイなどについて、よりフレキシビリティの高い構成が可能となるのが予測される。