Appleはカリフォルニア州サンノゼで現地時間6月5日より、世界開発者会議「WWDC 2017」を開催。基調講演とハンズオンから、発表内容について振り返り、考えていこう。

トップバッターを勤めたのはApple TVとtvOSだったが、後から考えれば、これらに触れた時間は非常に短く限られたものだった。

最初にアナウンスされたのはtvOS

Apple TV向けにはtvOSの新版、「tvOS 11」が今年の秋にリリースされることになるはずだ。しかしApple TVのデバイスやコンテンツについて大々的に言及されることはなく、AmazonのビデオアプリがApple TVに配信されることを告げるに留まった。

この点について少し考えてみると、これまで、AmazonビデオのアプリはApple TV向けに配信されておらず、そのためAmazonでもApple TVの取り扱いがなかった。今年後半にApple TVにAmazonビデオアプリが配信されることで、そうしたAmazonでの販売状況も改善されることが期待できる。

ただ1点気になっているのは、AmazonがこのタイミングでApple TV向けにアプリを配信するなら、やはり映像の品質として、フルHDだけでなく4Kビデオの配信をサポートしなければならないのではないだろうか。その場合、Apple独自のサービスであるiTunes Movieでは4Kコンテンツを現段階で配信していないので、Amazonビデオの方が高いクオリティの映像を配信する、という状況が生まれてしまう。それはさすがにAppleとしては避けたい。

そこで、Amazonビデオアプリが配信されるタイミングは、iTunes Movieが4K対応を果たすタイミングでもある、という予測を立てられるのではないだろうか。現在の第4世代Apple TVは、64bitのA8プロセッサを搭載しており、スペック的には4Kビデオの再生にも耐えうると考えられるが、カタログでは1080pのフルハイビジョン出力までのサポートとなっている。そういったことからも、Amazonのアプリの配信、iTunesの4K対応のタイミングで、新たなApple TVが登場する可能性はそれなりに高まっていると言えよう。