説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『iPhoneの遠隔操作は可能ですか?』という質問に答えます。
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遠隔操作とは、離れた場所にある他のパソコンやスマートフォンから自分のiPhoneがコントロールさせる、という意味でしょうか? 技術的には可能ですし、一部の機能は許可されていますが、勝手にクレジットカードで支払いされたりネットバンキングで送金されたり、という意味合いであれば心配はいりません。事実上、そのような使いかたは困難です。
現在のところiPhoneの遠隔操作は、「iPhoneを探す」機能を有効にしているとき、画面にメッセージを表示したり、iPhoneを操作できなくしたり(リモートロック)するなどの紛失/盗難にあったiPhoneを取り返すための行動に限り許されています。操作は適切な権限を持つユーザ(Apple IDでサインインできるユーザ)が『iPhoneを探す』アプリ、またはWEBブラウザを利用するときのみ可能です。
一方、パソコンに目を向ければ「リモートデスクトップ」などと称した遠隔操作ソフトが多数存在します。特に「VNC(Virtual Network Computing)」という遠隔操作ソフトは、そのソースコードが公開されたこともあり、多数の派生ソフトを生み出しています。iPhoneと関係が深いmacOSにも、VNCと互換性がある遠隔操作される側の機能が搭載されています。遠隔操作するためのアプリ(VNCビューア)は、iPhone向けにも複数存在しますから、iPhoneからパソコンを遠隔操作することはとてもかんたんです。
しかし、iPhoneを遠隔操作される側にするアプリは存在しません。そのようなタイプのソフトウェアは、いつ接続要求があるかわからないため、つねに稼働している状態(システムに常駐)でなければなりませんが、そのようなアプリがApp Storeの審査を通過することはないでしょう。