サラダが売れている理由

では、なぜ売れているのか。それは健康志向の高まりがベースにあり、女性の社会進出、共働きの増加、1人2人世帯の増加といった社会環境の変化があるという。もう少し具体的にイメージすると腑に落ちるだろう。

たとえば、独身の人がサラダを作る際、ミニトマトをひとつ添えたい、ほんの少しだけにんじんを入れたいと思っても、余らせてしまうのが常だ。野菜類がいかに小分けで販売されるようになったとはいえ、余してしまうようだったら、「コンビニのサラダを!」という流れになるようだ。

こうした社会情勢の変化がニーズとなり、そのニーズをローソンが汲み取る。数値化すれば、ローソンは2017年のサラダの販売額で、前年比25%アップの250億円を見込んでいる。

ローソンにおけるサラダ売上の見込み

サラダがおいしいわけ

この数値の多寡はわかりにくいが、次の話を聞けば、竹増社長がわざわざ登壇し、サラダに力を込めて説明する理由もよくわかるはずだ。それは、サラダが他の食材と組み合わせ購入されているという事実だ。

ローソンによると、サラダ購入者のうち、サラダ以外も一緒に購入する比率は96%にも達するという。ベーカリー、フライドフーズ、おにぎり、弁当・寿司、日配惣菜といった順番だ。

サラダの購買状況。他の商品とセットで購入されるのが売り手にとっての魅力だ

問題はサラダの拡充が日販にどう影響を与えるかだ。それについて、実験店での成果をもとに試算すると2%前後の押し上げる効果を期待できるとのこと。サラダ1カテゴリで「2%前後の押し上げは非常に大きい」というのがローソン広報部の見立てだ。

日販に大きなプラス効果を生み出すのならば、他社にとってもサラダはおいしい商材だ。ローソンの取り組みの成否次第では、コーヒー、ドーナツに続き、今度はサラダでしのぎを削ることになるかもしれない。