ペットや子どもの記録に最適なファミリー機

撮像素子には、APS-Cサイズの有効約2,420万画素CMOSセンサーを搭載。画像処理エンジンは「DIGIC 7」で、感度はISO100~25600に対応する。実写では、キット付属の高倍率ズームのほか35mmや100mmの単焦点レンズを使ったが、いずれのレンズでも細部までの正確な解像性能とクリアな発色、滑らかな階調性を確認できた。高感度性能も含め、画質に関する不満は特にない。

全体を通しての感想としては、45点オールクロスAFやデュアルピクセルCMOS AF、6コマ/秒連写といったワンランク上の機能と性能を実現しつつ、操作が難しいと感じさせないユーザーフレンドリーなカメラに仕上がっている、という印象だ。

「EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS USM」との組み合わせは少々かさばる。これとは別に、より小型軽量な新標準ズーム「EF-S18-55mm F4-5.6 IS STM」が含まれるダブルズームキットもある

非常にハイスペックなので、中級以上のユーザーもサブカメラとして活用したいと考えるかもしれないが、凝った撮影用にはあまりおすすめしない。電子ダイヤルが1つしかないことや、感度設定が1段刻みで1/3段調整ができないこと、ボタンによるAF測距点のダイレクト切り替えができないこと、カスタム登録可能なCモードがない点などは従来のEOS Kissと同じであり、これらを不自由だと感じる人には向かないからだ。

EOS Kiss X9iは、オート主体で気軽に撮影する用途にこそ適している。スピーディなAFと連写は、ペットや子どもの成長記録用にも活躍してくれるだろう。そして、オートだけでは飽き足らなくなった場合には、ガイド機能などを利用して一歩進んだマニュアル撮影も楽しめる。そんな潜在能力を秘めた、贅沢なファミリーカメラである。

絞り優先AE F11 1/100秒 ISO100 WB:晴天 レンズ:EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS USM

マニュアル F14 1/200秒 ISO100 WB:晴天 レンズ:EF35mm F2 IS USM

マニュアル F14 1/200秒 ISO100 WB:晴天 レンズ:EF35mm F2 IS USM

シャッター優先AE F2 1/4000秒 ISO100 WB:晴天 レンズ:EF100mm F2 USM

シャッター優先AE F5 1/125秒 ISO800 WB:晴天 レンズ:EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS USM

絞り優先AE F8 1/6秒 ISO400 WB:晴天 レンズ:EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS USM

絞り優先AE F8 1/1250秒 ISO100 WB:晴天 レンズ:EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS USM