キヤノンは15日、撮像素子にAPS-CサイズのCMOSセンサーを採用したデジタル一眼レフカメラの新モデルとして、「EOS 9000D」と「EOS Kiss X9i」を発表した。いずれも4月上旬から発売し、価格はオープン。

EOS 9000Dの推定市場価格(以下すべて税別)は、ボディが100,000円前後、ダブルズームキットが140,000円前後、「EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS USM」キットが150,000円前後の見込み。EOS Kiss X9iは、ボディが90,000円前後、ダブルズームキットが130,000円前後、「EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS USM」キットが140,000円前後の見込み。

EOS 9000D

EOS 9000D(装着レンズは「EF-S18-55mm F4-5.6 IS STM」)。液晶モニターはバリアングル

パッケージ内容

ボディ

ダブルズームキット

「EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS USM」キット

EOS 9000Dは、EOS 8000Dの後継となるデジタル一眼レフカメラ。「写真を趣味としたいこだわりユーザーに向けた、中級機に迫るスペックを搭載したプレミアムエントリーモデル」の位置付けだ。EOSのラインナップ的には、同時に発表されたEOS Kiss X9iの上位、そしてEOS 80Dの下位となる。エントリークラスからミドルクラスへの架け橋という役割も担う。EOS 8000Dからの主な強化点を以下にまとめた。

  • 画像処理エンジンが「DIGIC 7」に
  • 常用ISOが静止画でISO100~25600、動画でISO100~12800に
  • 連続撮影が最高約6コマ/秒に
  • AFが45点オールクロスAF(最大28点でF8対応)に
  • Dual Pixel CMOS AFを搭載
  • 新ユーザーインタフェースの導入
  • 動画機能の充実(1080p、タイムラプス、スペシャルシーン等)
  • Wi-FiとNFCに加えて、Bluetooth Low Energyに対応

最新の画像処理エンジン「DIGIC 7」は、EOS M5に次ぐ搭載。Dual Pixel CMOS AFは、キヤノンのエントリークラス製品として初の採用となり、画角内の約80%×80%において、位相差AFによる高速かつ高精度なオートフォーカスが可能となった。また、ライブビュー撮影と動画撮影のAF方式として、広めの測距エリアを任意で選択する「スムーズソーンAF」を新たに搭載し、こちらもEOS M5に次ぐ採用だ。

操作系では、メインとサブ、2つの電子ダイヤルを備え、ファインダーをのぞきながら多くの操作を行える。本体の電子ダイヤルやボタン類は、中級機のEOS 80Dやより上位機とも大差なく、将来的に上位機へと乗り換えるときにも違和感が少ない。

Bluetooth Low Energyへの対応は、スマートフォンとの接続で威力を発揮。スマートフォンと常にBluetooth接続しておき、撮影した写真をスマートフォンに転送したりするときに、EOS 9000Dまたはスマートフォンの操作によってWi-Fi接続へとすぐに切り替えられる。加えて、同時発表のBluetoothワイヤレスリモコン「BR-E1」を使うと、カメラの周囲5m以内からリモートシャッターを切れる。

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EOS Kiss X9i

EOS Kiss X9iは、EOS Kiss X8iの後継モデル。「エントリーユーザーが高い満足度を得られる万能ファミリーモデル」をうたい、まさに王道のエントリー機だ。小学生くらいまでの子供を持つ父親・母親など、ファミリー層をメインターゲットに据える。

EOS Kiss X9i(装着レンズは「EF-S18-55mm F4-5.6 IS STM」)。液晶モニターはバリアングル

パッケージ内容

ボディ

ダブルズームキット

「EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS USM」キット

従来モデルEOS Kiss X8iからの強化点だが、上記のEOS 9000Dで箇条書きした項目と同じだ。エントリーモデルとはいえ、最新の画像処理エンジン「DIGIC 7」や各種の機能面など、中級機に匹敵する内容といえる。

EOS 9000Dとの違いは、女性の手を考慮した持ちやすい流線型のフォルムと、シンプルな操作性。電子ダイヤルは1つとなり、上面の液晶パネルなども省いている。これは従来のEOS Kissシリーズを踏襲した操作性だ。

パッケージ内容