NVIDIAは3月7日(米国時間)、組み込み開発者向けの小型ボードコンピュータ「Jetson」シリーズの新モデル「Jetson TX2」を発表した。キャリアボードと「Jetson TX2」モジュールがセットになった「Jetson TX2 Developer Kit」は、米国およびヨーロッパで3月14日に出荷を開始し、価格は599ドル。このほかの地域でも今後数週間以内に提供を開始するという。

「Jetson TX2」モジュール

Jetson TX2 Developer Kit

「Jetson TX2」では、SoCを最新世代に刷新。従来モデルの「Jetson TX1」では、SoCとして、ARM Cortex-A57(4コア)のCPUと、MaxwellアーキテクチャベースのGPUを組み合わせていたが、「Jetson TX2」では、ARM v8ベースの「Denver 2」とCortex-A57、PascalアーキテクチャベースのGPUを採用する。この構成は同社が自動車用アプリケーション向けSoCとして発表した「Parker」と同様だ。

「Jetson TX2」と従来モデル「Jetson TX1」の比較

メモリ容量は4GBから8GBへ、メモリインタフェースも64bitから128bitに強化した。ストレージは16GB eMMCから32GB eMMCと増加している。このほか、ビデオのエンコードは従来の4K/30Hzから4K/60Hzに、デコードは12bitのH.265やVP9をサポートする。

新SoCの採用やスペック強化により、電力効率やパフォーマンスが向上。7.5W以下の消費電力で「Jetson TX1」比2倍の電力効率、もしくは15W以下の電力消費で「Jetson TX1」比2倍の性能を発揮できる動作を選択できる。

7.5W以下で動作させ従来モデル比で2倍の電力効率を実現、もしくは15W以下で動作させ、従来モデル比で2倍の性能を実現のどちらかを選択できる

また、AIコンピューティング向けSDKである「JetPack 3.0」に対応し、NVIDIAでは、「Jetson TX2」と「JetPack 3.0」によって、エッジ側におけるAIコンピューティングを実現し、インテリジェントな工場用ロボット、商用ドローン、スマートカメラなどの開発を可能にするとしている。

「Jetson TX2」は、キャリアボードと「Jetson TX2」モジュールがセットになった「Jetson TX2 Developer Kit」に加えて、モジュール単体の提供も行う。「NVIDIA Jetson TX2 Developer Kit」は、米国およびヨーロッパで予約を開始し、価格は599ドル。3月14日の出荷を予定する。このほかの地域でも今後数週間以内提供に開始するという。さらに、「Jetson TX2」モジュール単体は、2017年第2四半期中の提供を予定する。価格は1,000個以上の発注時で399ドル。

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