AppleはiPhoneを中心としたビジネスを展開している。生活に欠かせない道具であり、昨今は人工知能によって相棒のようなポジションを作り出そうとしている。

その様子は、高校生の頃にケータイを持ち始めた筆者にとっては、既視感が強くある。もちろん、通信やデバイス、アプリなどのサービスの性能は飛躍的に上がっているが、生活の中心へと入り込んでいく様子は、とても近いものがあるのだ。

コミュニケーションやカレンダー、音楽やビデオ、カメラ、エクササイズ、辞書、地図などは、高校生であろうと大人であろうと、比較的利用率が高いアプリ群だ。しかし高校生当時、非常にパーソナルな存在だったケータイにあっては、スマートホームやクルマは縁のないもののように見えた。その点で言えば、Appleは、15年前の日本の高校生が経験していなかった領域へと踏み込みつつある、と言えよう。

本連載ではスマートホームやコネクテッドカーについて、Appleがどのように取り組んでいくのかを扱っていく予定だが、まずは「今何ができるのか」と言うことをお伝えしていきたい。今回は、CarPlayについての体験と考察だ。

CarPlay

CarPlayでは、自動車の車載機にiPhoneをUSBで接続すると、iPhoneの一部のアプリを車載ディスプレイから、タッチ操作と音声で利用できるようなる。地図によるナビゲーションはもちろんのこと、音声を主体としたエンターテインメントのアプリ、つまりミュージックやその他の音楽ストリーミングサービス、Podcast、iBooksでの読み上げなどが利用可能となる。加えて、音声通話とメッセージアプリも声で操作する仕組みになっている。特にメッセージアプリは、内容を画面に出さず、読み上げと聞き取りによってコミュニケーションを行えるという特徴がある。

音声を主体としたエンターテインメント系アプリでもCarPlayが活躍

CarPlayで目指していることは、クルマの中で、自分のiPhoneを安全に利用できるようにすることだ。そこにコネクテッドカーや自動運転といった、未来のクルマを想起させる要素はない。