新たなビジネス像は未だ見えず
今回導入された施策はどれもnuroモバイルのこれまでの弱点を解消し、さらなる魅力を持たせる内容となっているが、問題はそれがユーザーにどこまで伝わるか、だろう。これまでnuroモバイルは大掛かりなCMなどを打っておらず、今回の発表でもnuroモバイルがどんなMVNOとして展開していこうというのかが見えないままだった。
nuro光は「世界最速」というキャッチフレーズがあるのでわかりやすいが、nuroモバイルには一部の料金設定を除いて世界一、業界一といったサービスが見出せない。料金体系こそシンプルでわかりやすいが、一方で直営店や申し込みカウンターがあるわけでもなく、自力で端末の調達や設定を行う必要もある。新しい5時間プランなどもどちらかといえば玄人好みなサービスだ。
何より、ソニーという大看板が後ろ盾にありながら、それを有効活用しようという動きが今は見えない。ソニーネットワークコミュニケーションズの社長は、スマートフォンを製造販売するソニーモバイルコミュニケーションズの十時裕樹社長が兼任しているが、日本では大きなブランド力を持つXperiaシリーズの端末がSIMフリー端末のラインナップに入っていない。
今後IoTが普及するにあたり、家電大手であり、ゲーム機でも支配的プラットフォームであるPlayStation 4を擁するソニーにとって、ソニーならではの差別化を実現するためにも、モバイル回線サービスは重要な役割を示すはずだ。既存サービスをわざわざリブランドしたのもそのためだろう。ソニーにはソニーなりの計画があり、思惑があるのだろうが、ここはスピード感を持って、あっと驚くような施策を見せてほしいところだ。