富士通取締役 執行役員専務/CFOの塚野英博氏

富士通は31日、2016年度第3四半期(3Q期)の決算発表を報告した。売上収益は前年同期比マイナス4.4%(514億)の1兆1,154億円。営業利益は同165%の373億円で、前年同期から232億円増加した。

テクノロジーソリューションやユビキタスソリューションで営業利益が大幅に改善。PC/携帯電話、モバイルウェア事業を担うユビキタスソリューションでは、コストダウンや費用の効率化が進み、増益につながった。

そのユビキタスソリューションの事業別概要は、売上収益が前年同期比3億円増の2,596億円、営業利益が同107億円増の96億円。このうち、PC/携帯電話事業の売上収益は1,554億円、モバイルウェアが1,041億円となった。PC事業の売上収益はほぼ前年並みで、開発費用の改善に加え、国内法人向けが好調に推移。一方携帯電話事業は、市場の成長鈍化の影響を受け、前年から減収した。モバイルウェアの売上収益は1,040億円で、前年同期比から8.1%増加した77億円となった。

2016年度の業績見通しは、セグメント別では増額、減額修正を行うものの、全体では据え置く。

富士通 2016年度第3四半期の事業別セグメント情報(ユビキタスソリューション)

ニフティ売却額は250億円

質疑応答では、レノボとの提携や同日発表されたニフティの売却に話が及んだ。回答したのは、富士通取締役 執行役員専務/CFOの塚野英博氏。

レノボとの提携については、「戦略的な提携」であるとし、双方にメリットがあり、事業を大きくする方向で調整中であるとした。「時間はかかるかもしれないが、年度内には作り上げていきたい」と見通しを回答。

また、富士通は31日、ニフティの個人向け事業の売却を発表した。売却先はノジマで、売却額は250億円。売却先をノジマに決めた理由は、異業種の候補先のなかから比較検討した結果条件が合ったという。基本的には雇用を継続する予定で、当面はブランドも維持される。今後、ノジマの実店舗を活用したサービス拡大や、家庭向けのソリューションも展開が見込めるという。