―― プレイステーションVRの動きが好調のようだが。

平井氏「出荷台数は公表していないが、年末商戦で品切れを起こすほど、好調な立ち上がりになっている。今後は、ゲームコンテンツのほかに、ソニー・ミュージックやソニー・ピクチャーズとのコラボレーションに加え、ソニー以外からもゲーム以外のコンテンツが登場することを期待している。

まずはゲームを中心にインストールベースを増やしていくという戦略に変わりはないが、プラスαでゲーム以外のコンテンツを増やしていきたい。将来的には、BtoBでの活用の可能性もある。いくつかの企業と対話を始めており、今年は積極的に展開することで、BtoBでも、なにかしらの成果につなげていきたい。

VRをプラットフォームとして立ち上げるには、コンテンツを自由に作れることが重要になる。だが、2Dに比べると難易度が高い。カメラを球体につけて撮影する商品だと、これを買ってくださいといえる大きさにはならない(編注:大きすぎる)。どうやって簡素化するかが重要であり、カメラの数を減らしたり、デジタル処理をどう活用するのかといったことも考えなくてはいけない。2017年中というのは難しいが、積極的に取り組んでいきたい」

プレイステーションVR

―― デジタルカメラ事業の成長戦略はどうか。

平井氏「デジタルカメラは、市場から高い評価を得ている商品をそろえることができている。とくに、α7シリーズは、ソニーがミラーレスという市場を形成してきたという自負がある。いままでとは違うアプローチや、他社とは違う機能提案ができている。今後も、高級コンパクト、ミラーレス、デジタル一眼の領域で、積極的な商品展開とレンズ展開を行っていく」

α6500(装着レンズは「Vario-Tessar T* E 16-70mm F4 ZA OSS」)

―― ビデオカメラにはどう取り組んでいくか。

平井氏「ビデオカメラは、将来的には家庭向け商品においても、HDRを採用していくことになる。ただ、コスト、大きさ、バッテリーライフの解決に加えて、大容量化したデータをどう保存し、どう動かすのかといった課題を解決する必要がある。そこに取り組んでいかなくてはならない」