GLOBALFOUNDRIES - 10nmをスキップして7nmへ

Photo11:ここに居てくれると、机の上ながらとりあえず仕事の邪魔にはならない

あまり新しい話がないのがこちら。GLOBALFOUNDRIESの場合、現在はSamsungからライセンスを受けて14LPE/14LPPプロセスの量産出荷を行っており、これが現行GPUである"Polaris"と次世代CPU"Zen"、さらには次世代GPU"Vega"にも採用されるものと思われる。

問題はその次の7nmだ。これは自社開発で、2017年内にRisk Productionが始まるかどうかも明確ではない。この話とは別に、22FDXというFD-SOIベースの22nmプロセスの提供を開始しており、続いて12FDXという同じくFD-SOIベースの12nmプロセスの提供も予定。Bulk+FinFETとFD-SOI+Planerの2本立てという構成になっている。

ただFD-SOIの方は、AMDを含めてHigh Speed Logic向けには採用の予定がほとんどない。GLOBALFOUNDRIESは、FD-SOIをFinFETほど高速ではないが安価という位置付けにしており、22FDXは28nmと14nmの中間になるという話は2016年に紹介した。

実際のところ、14LPCがちょうど競合になりそうだ。これに続く12FDXはまだターゲットが明確ではない。おそらく、Samsungの10LPCとかTSMCの10FFほどには高速ではないが、14nmプロセスと同程度の値段で作れるという位置付けになるようで、これまたCPUやGPU向けではない。

ちなみにSamsungは14nmを10nmにどんどん移行させる予定で、用途もIoT以外全部といった無茶にも見えるロードマップを出しているが、GLOBALFOUNDRIESはこれを全部14LPE/14LPPでまかなう(これで足りないところは22FDX/12FDXでカバー)方針だ。

Photo12:Samsungのロードマップ

GLOBALFOUNDRIESもSamsung同様に、低コスト版となる14LPCを提供する可能性があり、ひょっとするとPolarisのローエンド(RX 460のさらに下)なSKUで使われるかもしれない。ただ現状ではあまりその可能性は高くないように見える。7nmに関して明確に動きがあるのは早くて2018年後半で、少なくとも2017年中には新しい話は何もなさそうだ。

2018年以降でキーになるのはEUV(Extreme Ultra Violet:極端紫外線)である。Samsungのスライドにもあるように、7nm世代で液浸を使った場合、Quad Patterningが必要になり、マスクコストや製造コストが跳ね上がる。

Photo13:7nmに関してはNon-EUVだとクアッドパターニングが必要になる

そのため、Samsung自身も当初は液浸ベースで量産を開始するが、比較的早期にEUVに切り替えることを想定している。ただ、GLOBALFOUNDRIES自身はEUVについて「早くて2019年」という見通しを以前から語っており、あとはこれがどの程度早期に立ち上がるか次第ではないかと思う。

この状況そのものは、GLOBALFOUNDRIESに限った話ではなく、TSMCやSamsungも同じだが、こちらはTriple Patterningで済む10nm世代という逃げがある分まだマシで、その逃げがないGLOBALFOUNDRIESはより厳しい状況になりそうである。