Intel CPU - KabyLakeでは動作クロックがわずかに向上

Photo14:暖房運転中のエアコンを独り占めするチャシー先生。そーいうことしてるからエアコン壊れるんだよ……(八つ当たり)

2016年はBroadwell-EベースのCore i7-6950Xが出た以外に、Desktop向けでは大きなアップデートがなかった。もちろん製品レベルで言えば、2015年末にP付きのモデルが発表され、2016年の初めから流通を始めている。具体的には

の2製品がそれであるが、同社周波数を若干変えた以外の違いが良く分からない。実際ark.intel.comで、Core i5-6402PとCore i5-6400、Core i3-6098PとCore i3-6100の4製品を比較した結果がこちらであるが、価格も一緒ならThermal Specificationも一緒、その他の特徴にも大きな違いがない。

しいて言えばLLCが、Pなしは"3/6MB SmartCache"と表記されているのに対し、P付きは"3/6MB"になっているが、別にP付きでSmartCacheの機能を省いた訳ではない(そもそもSmartCacheはテクノロジーの名前で、機能という表現がおかしい)のであって、単に表記だけの問題であろう。

恐らくは2016年3月に発表されたGodavaliベースのAMD A10-7890K/7860KとAMD A8-7670K/7650Kへの対抗策として、同価格帯の製品に若干の動作周波数の上乗せをかけて追加したということではないかと思う。

ということで2016年は停滞していたIntel CPUであるが、2017年はプロセスのところでも触れたとおり、KabyLakeが投入される。もっともMobile向けには2016年8月末から出荷されていたし、この際に「さらにデスクトップやワークステーション、高性能ノートPC向けCPUは2017年1月に提供されるという」とされているから、このことそのものは不思議でもなんともない。

ちなみにKabyLakeのダイ写真がこちらに掲載されている。これとIntelのWebサイトで公開されているで掲載されているSkylakeのダイ写真について、ちょっとコア部分(2コア+LLC)を抜き出したのがPhoto15とPhoto16である(コア数や構成に加え、System Agentなどの位置も異なるので、直接の比較が難しい)。

Photo15:KabyLakeのコア部分

Photo16:Skylakeのコア部分。抜き出した上で上下反転をしている

基本的には同一のコアというか、見た限りでは両方のダイ配置に違いは見られない。つまり基本構造には全く違いがなく、あるのはプロセスの違い(14nmと14nm+)による動作周波数の向上のみと考えられる。

もちろんこれはあくまでCPUコアの話のみであり、こちらの記事で詳しく紹介しているようにグラフィック機能やメディアエンコード機能もが強化されている。

現時点で、デスクトップ向けKabyLakeのスペックについて細かいことはまだ分かっていないが、元々プロセスそのものが14+となることで、最大12%の動作クロックがアップするという話で、モバイル向けの場合でもベースが100~200MHzアップ、Turbo Boost時が400~500MHzのアップとなっている。さすがにデスクトップ向けで500MHzのアップは難しいだろうが、200MHz程度のアップは期待しても問題はないだろう。

ここまでは規定路線であり、プロセスのところで説明した通り、2017年一杯は新しい製品は「基本的には」投入されない。「基本的には」というのは、例外が2つあるからだ。

1つはCore i5-6402Pのように既存製品のスペックを若干変更した製品は随時投入される可能性がある。特にAMDの次世代CPU「RYZEN」発表後は何かしらカウンターアタックを掛けることも考えられるが、これに関しては現時点では読めない。ただここでは大きな変更はないだろうと思われる。

Intel CPU - SkaylakeベースのCore i7 Extreme Editionは2017年半ば

もう1つの例外は、Core i7 Extreme Editionである。従来ここは2P Xeon、つまりXeon E5のプラットフォームをそのまま流用する形で成立していたわけだが、IntelはXeon向けの2P/4P/8Pを統合する形で新しいPurley Platformを投入するという話があったが、これが2017年後半以降にいよいよ投入されることになりそうだ。

このPurely Platformはちょっと色々な意味でお化けで、下の図が2Pの場合の構成図である。

CPUコアはSkylake-Eベース。ただ実質的には14nm+を使った、Kabylake相当のコアと考えられる。動作周波数などはSKUによって異なるが、現在から大きくは増えない模様。ただし最大で28core/56Threadの製品が投入される。

Inter-Processor Interfaceは現在のQPIに異なり、新しいUPIなるI/F(何の略かは不明)が用いられる。動作周波数は片方向あたり最大10.4GT/sec程度に向上する模様(QPIは最大9.6GT/sec)。これが何本あるかは不明だが、8P構成だと最低でも3本以上は必要になる。

メモリはDDR4-2133/2400/2666のRegistered DIMM(RDIMM)ないしLoad Reduced DIMM(LRDIMM)を使う。ただしDDR4-2133/2400は2枚/chで接続可能だが、DDR4-2666では1枚/chに制限される。従来可能だった3枚/chの構成は、この世代では不可能になる。これによるメモリ容量減少を補うためか、DDR4は6chの構成になった。

CPUから直接PCIe Gen3(Gen4という情報もあるが、Validationが間に合わないので、Skylake-E世代ではGen3で、その次の世代にGen4ではないかと思われる)x16を3本搭載する。この一部はDMI3とあわせてPCHに繋ぐことも可能。同様にCPUにOmni FabricのI/Fを直接搭載するほか、PCHとの接続はDMI3といったところになるようだ。

パッケージはSocket Pと呼ばれるLGA3647になるという。ただ、さすがにこれをデスクトップ向けに投入するのは、いかにEnthusiast向けとはいえ無理がある。そこで、Core i7 Extremeとして新しく投入されるのが"Basin Falls"と呼ばれる新しいプラットフォームである。

Basin Fallsの話は後でチップセットのところでするとして、このBasin Falls向けにIntelはSkylake-XとKabylake-Xというプロセッサを投入する(さらにいえばSkylake-Wというプロセッサも予定されている)。いずれもパッケージはLGA2061となる。これらは簡単に説明すると、

  • Skylake-X:Skylake-EのうちLCC(Low Core Count:6~10コア程度?)のダイを利用し、OmniFabricを無効化。PCIe x16は2つのみ。またDDR4は4chのみ有効とする。
  • Skylake-W:Skylake-Eのコア数の多いダイを利用。あとはSkylake-Xと同じ。
  • Kabylake-X:Kabylake-SのGPUを無効化したもの。

で、この3種類が同一パッケージで提供される形だ。このうちSkylake-Wはワークステーション向けとされ、例えばビデオのレンダリングとかCGの様に、コア数が多いとそのまま性能が上がる用途向けで、一般のゲームユーザーなどはコア数を落として動作周波数を上げたSkylake-Xと、GPUを無効化して、その分わずかに動作周波数を引き上げたKabylake-Xが担う。

このBasin Fallsが投入されるのは2017年第2四半期で、具体的には6月ごろになる模様だ。これが投入されて、現在のX99プラットフォームを置き換えるものと思われる。