さて、今回の発表会では、テーマごとにパートナー企業も登壇。最初のテーマ「クリエイティブ」は、Microsoft本社も注力する分野だが、ゲストはピクシブ 執行役員 伊藤浩樹氏だ。イラストを中心にしたSNSを展開するピクシブは、会員数が約2,100万人、投稿数が約6,500万件を数え、利用者の88.1%がWindowsを利用しているという(macOSは8.6%)。伊藤浩氏は「Windowsデバイスが備えるペンの可能性に期待と未来を感じる。今後も(自社製品側の)筆圧感知機能の追加など(日本マイクロソフトと)協力しながら、創作活動の楽しさをグローバルに広げたい」と語った。

【左】ピクシブ 執行役員 伊藤浩樹氏 【右】手軽にイラスト描ける「pixiv Sketch」のデモンストレーション

もう1人のゲストは、アニメ映画監督の神山健治氏。2017年3月18日から上映の「ひるね姫」は、フルデジタルで作成されたアニメ映画だが、デジタルデバイスで制作されている。「実際に作画をフルデジタル化するのは本作が初めて。絵コンテも2in1 PCで作成し、簡単な動画にする作業を最初に行ったが、アイディアの追加に加えてその場で修正できるので、従来の3分の1まで作業を短縮できた」(神山健治氏)。さらに「海外のアニメも3Dが主流だが、日本は手書きの良さがある。そこをデジタル化することで伝統工芸的な差別化につながる。後はデジタル化で新た強い才能が参加する障壁が下がることを期待したい」と、デジタルデバイスの可能性について強い期待を寄せた。

【左】アニメ映画監督 神山健治氏 【右】2017年3月18日ロードショーの「ひるね姫」絵コンテ合宿シーン

「ゲーム/エンターテインメント」のテーマでは、既存のXbox One Sを40%も小型化した「Xbox One S(Halo Collectionを同梱1TBモデル)」を、3万4,980円(税別)で2016年11月24日から発売することを発表。ゲストはスクウェア・エニックス・ホールディングス 執行役員/ファイナルファンタジーXV プロデューサー 橋本信司氏で、Xbox One S上で動作する「ファイナルファンタジーXV」を披露した。

「(ファイナルファンタジーXVは)Xbox One Sの性能を引き出せる。日本マイクロソフトと連携し、利用者に豊かな経験と今までにないエンターテインメントを提供していく」(橋本氏)と今後の展開を表明。HDR映像にも対応しているということで、実際のデモで「太陽光のグラデーション」といった微妙なグラデーションを美しく表現していることをアピールした。日本マイクロソフトの高橋氏は、Windows 10上で動作するファイナルファンタジーをリクエスト。この他にも「アカアケNEOGEO」のWindows 10/Xbox One版や「BIOHAZARD resident evil」のWindowsストア版のリリース日も発表されている。

2016年11月24日から発売する「Xbox One S」

【左】スクウェア・エニックス・ホールディングス 執行役員/ファイナルファンタジーXV プロデューサー 橋本信司氏 【右】Xbox One S上で動作する「ファイナルファンタジーXV」

「アケアカNEOGEO」シリーズもWindows 10に2017年からリリース開始

2017年1月26日からは「BIOHAZARD resident evil」がWindowsストア経由で購入可能になる

「セキュリティ」テーマでは、Yahoo! JAPANとドワンゴがWebブラウザー経由のWindows Hello生体認証に対応することを発表。ヤフー IDソリューション本部 本部長/ユニットマネージャー 森健氏によれば、Yahoo JAPAN!のアクティブユーザー数3,614万人のうち、ログイン試行数は1億5,000万回を超えるとのこと。さらなる利便性向上とセキュリティ強化を理由に「ログインソリューションをアップデート」(森氏)するため、Yahoo JAPAN!へのログイン手段としてWindows Helloをサポートする。生体認証分野では、FIDO AllianceによるWeb Authentication APIが提唱されているが、Windows Hello経由で同APIを利用できるため、Eコマースで買い物をする際も顔認証でログインし、そのままクレジットカードなどによる決済が完了する。

【左】ヤフー IDログイン サービスマネージャー 伊藤雄哉氏(左)とヤフー IDソリューション本部 本部長/ユニットマネージャー 森健氏(右) 【右】Windows Helloによる顔認証ログインのデモンストレーション