450mmウェハの実現には莫大な研究開発費を要するためなかなか進まない。450mm化を推進していたIntelも業績不振で450mmどころではなくなった。このため、先進各社の450mmウェハ採用計画はしぼんでしまったり、2020年代へ先送りされてしまった。

その結果、300mmウェハが2020年に向けてさらにシェアを伸ばしていくと、IC Insightsは「グローバルウェハ生産能力2016-202年」にて予測している。300mmウェハは、2015年末に世界の生産能力の63.1%を占めていたが、2020年末には68.4%へと成長すると予測される。

実際に稼働中のIC製造用300mmファブの数は2015年末で95、2016年末で100、 2020年に117、そして2020年代前半には225程度まで増えると予測される。これには、休止・閉鎖中のICファブや、小規模研究開発ファブ、わずかな数の個別半導体製造ファブは含んでいない。200mmファブは、最盛期には210に達したが、2015年末には148まで減少している。

300mmウェハを用いた生産品目は、メモリやロジックなどのコモディティ製品であることに今後とも変わりないだろう。いずれも、ダイサイズが大きく、大量のウェハを消費するからである。

図 ウェハごとの生産能力推移(月産)。横軸は西暦。縦軸は各年12月の生産能力の割合(%)(200mm換算)。棒グラフの上から150mm(青色)、200mm(紫色)、300mm(橙色)、450mm(ゼロ/少量で表記されず) (出所:IC Insights)

一方、200mmウェハのシェアは、28.3%(2015年)から25.3%(2020年)へと減少を続ける。しかし、半導体製造全体のパイは大きくなるので、シェアは微減でも、実際のウェハ数量は微増する。150mm以下のウェハはシェアの低下が続き、今後もその傾向だが、数量ベースではほぼフラットを保つだろう。

450mmウェハを用いた製造に関しては、Global 450mm Consortiumが2016年度末をめどに実用化検討を進めているが、IC Insightsでは、2019年から導入検討が始まるが、そのシェアは1%以下に留まると予測しており、本格的導入は2020年代へずれこむと見ている。本格的なIoT時代を迎え、ICを大量消費する用途が出現することが期待されている。