10年で売り上げを10倍にしたMaxim

2015年6位のMaxim Integratedは、1995年にはアナログICランキングで20位にさえ入らない弱小企業だったが、その後10年間に売り上げを10倍以上に増加させ、2015年には6位に浮上させている。同社の大きな成長は、米Dallas Semiconductorや米Volterra Semiconductorの買収、米国Vitesse SemiconductorおよびZilogの一部事業の買収によるところが大きい。同社は、2016年初頭、ADIとTIがそれぞれ独立して買収しようと激しい交渉合戦ををしていると米国メディアが伝えていたが、Maximの提示した売却価格が高すぎて、両社とも折り合いがつかずあきらめたようだ。一方、MaximもルネサスとInersilの買収で競い合ったと一部のメディアが伝えている。

2016年のランキングに変化はあるか?

2016年は、まだ3カ月ほど残しているが、Semiconductor Intelligenceは今年のアナログICランキングを9月時点で予測している。TIが80億ドルをはるかに超える売上高で、ライバルを寄せ付けずトップの地位を維持しつづけるのは間違いない。2位には、LTCを買収して、売上高が40億ドルを超えるADIが浮上する。ただし、正式な買収手続きの完了は2017年にずれ込む見込みである。企業規模の比較のために、この表の2016年予測ではADIの売上高にLTCの売上高を加算してある。3位はInfineon、4位はSkyworksであるが、もしかしたらSkyworksがInfineonを追い抜く可能性も残されている。Infineonは、2014年に米International Rectifier(IR)を30億ドルで買収したおかげで2015年は2位を維持したが、ADIのLCT買収のほうがはるかに大型買収であるため、順位を3位に落とす。Skyworksは2002年に米Alpha IndustriesとConexantのワイヤレス部門が合併して誕生した企業だが、ワイヤレス通信機能を有する幅広い製品を取りそろえ、モバイルやウェアラブルの波に乗って急成長している。それ以下の順位は、LTCが買収されて消えた以外は変動がないだろう。ON SemiconductorがFairchildを買収しても、ルネサスがIntersilを買収しても順位を変動させるほどまでには売上高が上積みされはいないということだ。LCTが抜けたために、10位に滑り込んだのは、台湾MediaTekである。同社は2015年10月に台湾Richtekを買収してアナログIC売り上げを3億ドル積み増している。