操作方法やユーザーインターフェイスが大きく変わったwatchOS 3も使いやすい。グランスがなくなって情報やよく使うアプリへのアクセスがどうなるか心配だったが、watchOS 3では文字盤を左右のスワイプで簡単に切り替えられる。ワークアウト・アプリや天気などを並べたワークアウト用の文字盤、世界時計やカレンダーなどを並べた仕事用の文字盤などを作っておき、シチュエーションに応じて文字盤を変えるようにしたら、以前よりも情報やよく使うアプリへのアクセスが向上した。さらにDockが、よく使うアプリへのアクセスを補ってくれる。

左はwatchOS 3で追加された新しい文字盤「アクティビティ」。watchOS 3ではスワイプで簡単に文字盤を変えられるので、ワークアウト用(中央)、仕事用(右)というように状況に応じた文字盤を作っておくと便利

よく使うアプリ、最近使用したアプリが並ぶDock

気になる点を挙げると、まずバッテリー動作時間だ。より大きなバッテリーで普段使いは余裕だが、GPSが動作するワークアウトだと約5時間である。サイズ/デザインとのバランスを図った結果の数字だと思うが、トレーニングによっては頼りない数字だ。ただ、私の場合だと1回のワークアウトが90分を超えることはないので十分である。Appleがアスリートもターゲットにしているかは分からないが、私の印象だとApple Watch Series 2は普通の人たちのためのフィットネス/アクティビティ・トラッカー、「The fitness tracker for the rest of us」という感じである。それが5時間という数字に現れており、Apple Watch Series 2が自分に適しているかどうかを判断する上で考慮するべき数字と言える。

もう一つは、水泳に適したバンドがスポーツバンドしかないこと、またはApple Watch Nike+になる。スポーツバンドは豊富なカラーが揃っていて、好きなバンドの1つではあるが、スイミング・プルーフなバンドの選択肢がもっと増えて欲しい。

Apple Watch Series 2にNike+ Run Clubが統合されたNikeとのコラボレーションモデル「Apple Watch Nike+」

GPS搭載でApple Watchとワイヤレスヘッドフォンだけを持ってワークアウトに出られるようになり、短い時間でも気軽に外で体を動かすようになった。HomeKitに対応するから、家のカギも持たずに出かけられるようにしてしまおうか、現在検討中である。私が住んでいる米国ではすでにApple Pay対応が進んでいて、Apple Watchだけを持って出かけてもいざという時にApple Payが使える安心感がある。日本モデルはFeliCaチップが搭載され、Suicaが使えるようになる。いつも同じコースばかりというのは飽きるものだ。iPhoneも持たない身軽な服装のまま地下鉄やバスに飛び乗って、違うコースに遠征できるのはうらやましい。

財布やiPhoneをカバンごと車の中に忘れてしまった時に、Apple WatchのApple Payに救われたことも……