大安吉日に都心の人気ホテルで挙式
平均200万円前後で挙式・披露宴ができるスマ婚。その仕組みはこうだ。
まず、ホテルやゲストハウスなどの結婚式場から挙式・披露宴会場の空きスペースを仕入れる。もともと空いているものなので、ホテルとしては「遊ばせておくよりは利益になる」と格安でスマ婚に卸す。スマ婚が式場から仕入れるのはスペースとサービススタッフと料理だけ。衣装や司会者、カメラマン、装花、引き出物などはスマ婚で用意して持ち込む形となる。
空きスペースを仕入れるとなると、日曜・祝日のほか、大安・友引といった結婚式をあげるのに縁起が良いとされる日はすでに埋まってしまって、選べる日時が限られてしまうのでは、という疑問が生じる。それに対して新地支社長は、「式をあげるカップルが減り、ホテル、ゲストハウスともに空きが増えた。宿泊が好調なホテルも、宴会場を埋められないでいる。そのため、良い日取りでも案内できる場所はいくつもある」と説明する。
リーマンショック以降、企業はコスト削減のため、ホテルでの宴会や大掛かりなイベントを削減する傾向にある。企業の宴会ニーズ減少はホテル側にとって痛手であり、アイドルタイムは極力減らしたい。こういった傾向は東京都心の有名ホテルでも多く見られる。スマ婚がリーガロイヤルホテル東京やヒルトン東京など、多くの人気ホテルと提携できる所以である。
好きなドレスを安く選べる
ドレスも同様だ。一般的な式場の場合、衣装業者1~2社とのみテナント契約しているため利用者にとっても選べる種類があまり多くない。式場内に構えるドレスショールームのテナント料が高額なことも、衣装のレンタル料金を引き上げる要因となっている。
メインドレスの場合、レンタルの平均単価は40万円前後。お色直しのカクテルドレスや新郎のタキシードを入れると、衣装代だけで80万円を超えるのがザラだ。一方、スマ婚では40社ほどの衣装レンタル業者と提携。より幅広い選択肢が用意され、利用者はデザイン、価格帯から好きな物を自由に選べる。衣装レンタル業者間が競争することで低価格を実現でき、スマ婚の場合はドレスとタキシードのセットを10~15万円で提供できるという。選べるドレスの種類が多く、しかも安いのである。
逆に、装花は1社のみと日本全国規模で提携しているため、大量仕入れにより低価格を実現した。ブーケと、両家両親に贈呈する花束、合わせて2万円からとリーズナブルだ。これが、総額で平均350万円ほどかかる挙式・披露宴を、総額200万円で開催できる仕組みである。