NVIDIAは18日、東京・秋葉原にて、フラグシップGPU「GeForce GTX 1080」を中心とした同社の最新技術や製品を紹介するイベント「NVIDIA ULTIMATE FESTA 2016」を開催した。会場となったベルサール秋葉原 1階イベントスペースには、たくさんの参加者がつめかけ、「GeForce GTX 1080」搭載PCによるゲームやVRコンテンツの体験を楽しんだ。

NVIDIA ULTIMATE FESTA 2016。ベルサール秋葉原 1階イベントスペース全体を使った大規模なイベントとなった

イベントは、「ULTIMATE THEATER」と「ULTIMATE eSports」の2つのブースに分かれて開催された。ULTIMATE THEATERでは、NVIDIA製品を搭載したシステムの展示やトークセッションを実施。

NVIDIA ULTIMATE FESTA 2016の内容を紹介する。エヌビディア ジャパン 林憲一氏。コンシューマ製品だけでなく、プロ向け製品による展示やセッションも行い、「ALL NVIDIA」が集結

トークセッションでは、まずエヌビディア ジャパンでテクニカルマーケティングを担当する矢戸知得氏が、GeForce GTX 1080そのものの特徴やGeForce GTX 1080で新たに搭載された機能を解説。それに続いて、テクニカルライターでエヌビディア アンバサダーの高橋敏也氏と、エヌビディア ジャパンの高橋一則氏が噛み砕いた形でGeForce GTX 1080を紹介した。

エヌビディア ジャパン テクニカルマーケティングエンジニア矢戸知得氏

最新アーキテクチャ「Pascal」の特徴を解説。この内容についてはすでにマイナビニュースで詳しくお伝えしている

高橋敏也氏と高橋一則氏の"W高橋"によるGeForce GTX 1080の紹介。このセッションの中で高橋敏也氏が「GeForce GTX 1080の数が少なすぎ!」と苦言を呈すと、高橋一則氏は「GeForce GTX 1080はVR向けの機能が大きく強化されているので、VRコンテンツの開発者などこれまでとは異なるところからも引き合いがある」とコメントしていた

展示コーナーも、GeForce GTX 1080の発売後、初めて開催する大規模イベントとなるため、GeForce GTX 1080搭載PCによる最新ゲームの体験コーナーやVRコンテンツ体験コーナーなど、コンシューマ製品が中心の内容ではあったが、プロ向けグラフィックスカード「NVIDIA Quadro M6000」搭載システムによる8K出力のデモや、組み込み向け開発ボード「Jetson」シリーズ搭載システムによるディープラーニングのデモなども展示され、まさに「いまのNVIDIA」をまとめてパッケージングしたような展示となっていた。

各BTOメーカーのGeForce GTX 1080搭載PCによる最新ゲームの体験コーナー

エヌビディア ジャパン 村上真奈氏

さまざまな業界でディープラーニングが使われるようになってきている

DNN(Deep Neural Network)では膨大な数の並列計算を行う必要がある

現在、DNNとビッグデータ、GPUの3要素がディープラーニングを加速させているという

組み込み向け開発ボード「Jetson」シリーズ搭載システムの展示コーナー

こちらは黄色(オレンジ?)のボードをリアルタイムで認識するというデモ

エヌビディア ジャパン 柿澤修氏

プロビジュアライゼーションの「究極」は物理ベースによるフォトリアリスティックなレンダリングという

ピクセル単位での物理ベースレンダリングは写真と見まごうほどリアル

自動車などのデザインはもとより、広告などでも活用されている

現在の「究極」の先として、物理ベースのリアルタイムレンダリングエンジン「IRAY VR」を紹介。GTC 2016の基調講演でも登場したが、物理ベースレンダリングした画像をリアルタイムでVR HMDに表示する

会場ではNVIDIA Quadro M6000を2枚搭載したシステムを使い、シャープの8Kディスプレイに画面出力するデモを行った

VRは個室での体験となったが、あっという間に予約で枠が埋まってしまい、キャンセル待ちが発生していた

エヌビディア アンバサダー 森田健介氏が製作したMOD PCも展示。こちらは「TANK PC」。履帯部分はThermaltakeの120mmファンを採用するなど、細かいアイディアが詰め込まれ、思わず「戦車はいいぞ」とコメントしたくなる

山手線PCやGT-R PCなど過去に製作したMOD PCも展示

「攻殻機動隊S.A.C.」シリーズに登場する多脚戦車「タチコマ」の2分の1スケール。現在リアライズプロジェクトが進行しているが、画像処理エンジンとしてJetson TX1が採用されているとのこと

同じくJetsonを搭載したドローン

ZMPが開発する自動運転車開発プラットフォームRoboCar

一方の「ULTIMATE eSports」では、プロゲーマーを招いてeSportsにフォーカスしたイベントを開催。Overwatchでプロゲーマーと対戦できる「Overwatchでプロゲーマー & 声優チームと共にプレイ」や、4つのゲーミングチームが参加した「CS:GOプロゲーマー頂上決定戦」、日本のトッププロがeSportsについて語る「日本プロゲーマー サミット」といったセッションが行われた。

中央通り側に設けられたステージと観覧スペース。かなりの人が集まっており、eSportsやプロゲーマーに対する関心が高まりつつある様子が伺えた

日本プロゲーマー サミットに参加したプロゲーマー。左からSTABA氏(4dN eTROVE)、YamatoN氏(DeToNator)、Ceros氏(DetonatioN)、DustelBox氏(DetonatioN)、KAZUNOKO氏(GODSGARDEN)

インテルもブースを出展し、Broadwell-Eをアピール

「NVIDIA ULTIMATE FESTA 2016」では、インテルもブースを構え、2015年5月31日に販売を開始した最新ハイエンドCPU「Broadwell-E」をアピール。コンシューマ向けとして初となる10コア/20スレッドのIntel Core i7-6950Xを搭載したシステムと、およそ2011年11月に発表したIntel Core i7-3960X(開発コード名:Sandy Bridge-E)を搭載したシステムによるパフォーマンス比較を展示していた。

Intel Core i7-6950Xを搭載した最新システムと、Intel Core i7-3960Xを搭載した5年くらい前のハイエンドシステムによる比較

3DMarkの結果。グラフィックスカードも最新システムではGeForce GTX 1080、5年前のシステムではGeForce GTX 580と違うので、Overallが大きく違うのは当たり前だが、Physicsのスコアを見ると、Intel Core i7-6950Xでは22201、Intel Core i7-3960Xでは13040と1.7倍の差に

また、秋葉原のパーツショップを巡るスタンプラリーも開催。スタンプを集めることで、景品が当たる抽選会も実施していた。