視野角の広いIPS方式のフルHD液晶を搭載

液晶は15.6型で、解像度は1,920×1,080ドットのフルHDである。視野角の広いIPS液晶を採用しているので、斜めから見ても色の変化が少なく、コントラストや発色も優秀だ。また、液晶表面はノングレア加工されているので、外光の映り込みが少なく、長時間使っていても目の疲れが少ない。

タッチパネルは搭載していないが、モバイルワークステーションとしての主な用途を考えると、タッチパネルの必要性は低い。なお、2016年5月発売予定の最上位モデルでは、3,840×1,920ドットの4K液晶が採用されているが、こちらはIPS液晶ではなく、TN液晶となるようだ。

1,920×1,080ドットの15.6型IPS液晶を搭載。ベゼル幅はそれほど狭くはない。ノングレア仕様なので、外光の映り込みが少なく目の疲れが少ない

クアッドコアのXeonとモバイルWS向けのQuadro M1000Mを搭載

ZBook Studio G3と一般的なノートPCを比べたとき、最大の違いは、搭載するCPUとGPUにある。ZBook Studio G3の下位モデルは、第6世代Intel Coreプロセッサ(開発コードネーム:Skylake)のIntel Core i7-6700HQを搭載しているが、今回試用した中位モデルは、同じくSkylake世代のIntel Xeon E5-1505M v5を、最上位モデルはIntel Xeon E3-1545M v5を搭載する。

Xeonプロセッサは、Core iプロセッサの上位に位置するサーバー/ワークステーション向けのCPUブランドだ。Core iよりも高性能であるが、高価でもある。

試用機が搭載するXeon E3-1505M v5はクアッドコアで、Hyper-Threadingテクノロジーを搭載しているため、最大で8つのスレッドを同時に実行可能だ。定格クロックは2.8GHzであるが、Turbo Boostテクノロジーによって最大3.7GHzまでクロックが上がる。もうひとつ大きなポイントとして、Core i7はL3キャッシュ容量が6MBであるが、Xeon E3-1505M v5は8MBに増量されており、より高い性能を発揮する。

CPU-ZによるCPU情報。Xeon E3-1505M v5最新の14nmプロセスルールで製造されており、L3キャッシュを8MB搭載している

ディスクリートGPUは、NVIDIAのQuadro M1000Mだ。Quadroは、NVIDIAのワークステーション向けGPUブランドで、ハイエンド3D CAD/CAEなどにおける動作検証済みドライバが提供されていることが特徴だ。さらに、Quadro M1000Mのビデオメモリは2GBだが、ZBook Studio G3のQuadro M1000Mは特別仕様で、倍の4GBのビデオメモリを搭載している。

Quadro M1000Mは、512基のCUDAコアを搭載しており、モバイルWS向けQuadroシリーズの中ではミドルレンジに位置する。もちろん、CPU統合グラフィックス機能に比べれば、描画性能は遙かに高い。

GPU-ZによるGPU情報。Quadro M1000MはCUDAコアを512基搭載し、ビデオメモリは4GBだ。この4GBというビデオメモリは、ZBook Studio G3が搭載するQuadro M1000Mだけの特別仕様(2016年4月時点)

メモリは標準で16GB搭載しており、かなり余裕があるが、メモリスロットの空きが1スロット用意されているため、最大32GBまで増設が可能だ。ストレージには、PCI Express/NVMe対応の超高速SSDが採用されている。容量は今回試用した中位モデルと下位モデルは256GB、上位モデルは512GBで、容量的にも十分だろう。

デバイスマネージャーの画面。8スレッドの同時実行が可能であり、OS側からはCPUが8個あるように見える