東芝は30日、同社の白物家電事業を手掛ける東芝ライフスタイルの発行済株式80.1%(約537億円、273,990株)を、中国の家電メーカー大手「美的集団」子会社に譲渡する契約を締結した。譲渡後、東芝の所有株式割合は19.9%(68,070株)。

この譲渡により、2016年6月30日をもって、東芝ライフスタイルおよびその子会社16社が東芝子会社から外れ、美的集団グループ子会社へと異動する。

東芝は2016年3月17日に、白物家電事業を「美的集団」(以下、美的)に譲渡する基本合意書を締結していた。東芝は、単独での経営資源の投入や競争力強化施策の実行は困難とし、事業継続の観点から企業価値を高められるパートナーを迎えることが最適と判断したとする。

合わせて、東芝と美的は30日、両社が事業譲渡の最終契約を結び、パートナーシップの強化に合意したとするリリースを共同で発表した。

この契約では、美的が白物家電の東芝ブランドをグローバルで40年間使用すること、東芝ブランドで冷蔵庫や洗濯機、掃除機、その他小型家電など白物家電の開発、製造、販売が継続されること、対象事業に従事するTLSCグループ全従業員の雇用が継続されることなどが盛り込まれている。また、東芝が持つ5,000件以上の知的財産を美的が引き受け、東芝の家庭電器に関係するその他知的財産を使用する権利を得るとされる。

東芝ライフスタイルが保有する映像事業は、株式譲渡日に東芝子会社の東芝メディア機器(青森県三沢市)に承継。東芝グループ内で事業を継続する。