―― 近い将来、どんなカシオ計算機を作り上げたいと考えていますか。

樫尾氏「やはり、カシオらしい製品を、もっといろんな形で出せる企業になりたいですね。軸となるのは時計事業ですから、ここはきちんと伸ばしていきたいと考えています。G-SHOCKはもちろんのこと、PRO TREKも成長させたい領域です。

そして、スマートウオッチ事業も今後の成長領域に位置づけています。これらの領域は、これまでの時計事業と競合しない、新たな純増領域です。カシオにとっての純増領域になるだけでなく、時計業界全体にとっても、純増につなげることができる領域となります。時計市場のなかでの戦いではなく、いまは存在しない市場をいかに作るか。そこでの貢献が、カシオの業績となって戻ってくると考えています。

教育事業も、カシオ計算機の新たな柱のひとつとして確立したいですね。カシオは、日本の教育に貢献している会社であるというイメージを確立したいと考えています。海外においても、この国の高校教育を下支えしているのはカシオであるというような、ピンポイントでもいいので、教育とカシオを結びつけるようなイメージも定着させていきたいですね。

これまでは、カシオらしさで、新たなニーズを開拓してきましたが、世の中の誰もやっていない、まったく新しい製品を、継続的に出していける会社にしたい。これが私が目指すカシオ計算機です」

―― 最後に余談ですが、樫尾社長の趣味や、休日の過ごし方を聞かせてください。

樫尾氏「趣味はなにかと問われると、やはりゴルフですね。だいたい週1回のペースでコースを回っています。ゴルフは、たとえば30歳で始めると、そこから20を引いたハンディ10までは行けるといわれます。私は20歳で始めたので、ハンディ0まで行く計算ですが、いくらやってもそこまではいかないですね(笑)」

―― ゴルフを始めた当時、好きなプロゴルファーはいらっしゃいましたか。また、好きなコースや、ゴルフにまつわる印象深いエピソードなどはありますか。

樫尾氏「プロゴルファーといえば、グレッグ・ノーマンのファンでしたね。好きなコースは、私がメンバーにもなっている武蔵カントリークラブですが、一番苦手なコースでもあるんです。

メンバーになるときにテストがあって、自己最高を出そうと思ってテストの前日や当日の朝までたくさん練習してのぞんだんです。しかし……、気負いすぎたせいか、結果は人生最悪のスコア。136も打ってしまいました。

原因は、バンカーにはまりまくったこと。状況を見てバンカーの横に出そうと思ったのですが、競技員の方から『それはダメ。練習しなさい』といわれまして。途中からは、不合格を覚悟でバンカーショットの練習をしているような状態でしたが、バンカーを練習することを条件に入会を認めていただきました。いまでは、バンカーにも大きな苦手意識はなくなりました。練習すれば、苦手なものも克服できるものですね」

―― ゴルフ以外はいかがでしょう。お酒とか。

樫尾氏「お酒はまったく飲みません。ゴルフ以外ですと、ボウリングには結構はまりましたね。自己流のフォームでシュートボールを投げます。自己ベストは257で、200以上のスコアを記録したことは100回以上あります。ゴルフは下手ですが、ボウリングはスコアがいいんですよ(笑)」

―― ありがとうございました。