3月2日、東京都内の会場にてカシオの2016春夏・時計新製品発表会が行われた。今回のテーマは「進化、そして革新。~時代が求める真の価値を目指して~」だ。先に紹介した「EDIFICE」「OCEANUS」編「PRO TREK」編に続いて、「G-SHOCK」編をお届けしよう(掲載した写真はすべて、クリックで拡大表示。掲載価格はすべて税別)。

G-SHOCKの展示フロア。ひとつのブランドながら、これだけ大きく異なる顔と雰囲気の製品をラインナップしているのは今更ながら面白い

進化が革新を呼ぶ

電波時計からGPSハイブリッドやスマートフォン連携と、時計の正確性を積極的に追求するカシオの腕時計製品。そして昨年(2015年)の秋冬モデルでは、デュアルコイルモーターによる高速な針駆動や、回転速度制御による「針の表情表現」を身に付けた。外装も、64チタンやブルーセラミックといった新素材の採用、および画期的なプリント技術によってデザインの幅を広げた。同社ならではのデジタルデバイス技術による高機能化と緻密な外装技術は、腕時計の価値に大きな変化をもたらしているといっていい。

これらセンシングやドライブのデジタル技術、外装技術は、今回発表されたニューモデルの数々において、文字通り進化と革新を見せている。それは新生「FROGMAN(フロッグマン)」に搭載された「トリプルセンサー for FROGMAN」や「GRAVITYMASTER(グラビティマスター)」のエイジド加工ベゼル、「PRO TREK PRW-7000」のレトログラード針、視認性の高いSTN液晶パネルなどだ。もちろん、3月末に発売を控えたスマートアウトドアウオッチ「WSD-F10」もまた、テーマを支える柱のひとつといえる。ここでは、G-SHOCKの新製品をご紹介しよう(掲載した写真はすべて、クリックで拡大表示。掲載価格はすべて税別)。

水深・方位・温度の計測が可能なトリプルセンサーを搭載した新生「FROGMAN」

カラーバリエーションが発売されるたび、真っ先に市場から消える人気機種にして、G-SHOCK唯一のダイバーズウオッチ「FROGMAN(フロッグマン)」。そのシリーズに、実に7年ぶりのニューモデル「GWF-D1000-1JF」が追加される。

GWF-D1000はG-SHOCKの、そしてダイバーズウオッチの革新だ

現行モデルGWF-1000-1JFのデザインを意識しつつ、よりスパルタンな印象となった

水中で、水深・方位・温度の計測が可能なトリプルセンサーを搭載。水圧センサーは新開発のFROGMAN専用で、10cmごと、水深80mまでの計測が可能となっている。ちなみにこれは、海難救助に携わるプロダイバーの潜水活動が許される深度を超えるとのこと。

方位計測機能も進化し、高い感度と正確性を持つ。海底から巻き上げられる泥や浮遊物に視界をさえぎられることが多い潜水任務においても、腕の角度を気にすることなく、設定した方位を目指して進行、活動できる。

メタルパーツにブルーIP処理を施したGWF-D1000B-1JF

GWF-D1000B-1JF(左)とGWF-D1000-1JF(右)

また、活動中の時刻・水深・温度を自動記録できるダイビングログモードや、それらを任意のポイントで記録できるタイムスタンプ機能なども搭載。外装においても、高水圧に耐える肉厚のサファイアガラスとケースを採用した。表面にはDLC(Diamond Like Carbon)加工を施し、耐傷性を向上させている。さまざまな要素が格段に進化した、まさに革新と呼ぶべき唯一無二のダイバーズウオッチだ。なお、現行の「GWF-1000-1JF」も引き続き併売される。

GWF-D1000B-1JFの左右ビュー

FROGMANに使用されているパーツの展示

ケース外径は53.3mm(縦)、重さは141g。ISO規格準拠200m潜水用防水。タフソーラーと電波時計マルチバンド6を搭載、バンドは強度に優れたカーボンファイバーインサートバンドで、ウェットスーツやグローブ上からの装着も考慮した長尺のものとなっている。バリエーションとして、メタルパーツにブルーIP処理を施した「GWF-D1000B-1JF」も用意される。価格はGWF-D1000-1JFが12万5,000円、GWF-D1000B-1JFが13万円。6月発売。

GWF-D1000B-1JFのケースパーツ

GWF-D1000のサファイアクリスタル スクリューバック。このカエルの特別感がたまらない

GWF-D1000の展示コーナー

展示会場には、こんなアイキャッチも。FROGMANは、まさにフロアの主役!