二つ目の重要なトピックは「Apple VS. FBI」

では、人数を絞ってまでTown Hallで行われる重要なアナウンスの2つめはどのようなものかだが、昨今大きく騒がれているFBIとAppleの闘争に関して、Apple側の公式見解が改めて語られるというものだ。昨年2015年12月に米カリフォルニア州ロサンゼルス近郊のサンバーナーディーノ(San Bernardino)において発生した銃乱射事件で犯人が所持していたiPhoneのロック解除を巡り、FBIがAppleに対しロック解除のためのソフトウェアを提供(もしくは仕組みとして導入)するよう要求しており、iPhoneの安全性を脅かすものとしてAppleが真っ向から反対の姿勢を示している。いまのところ先行きは不透明だが、技術系企業や関係者を中心にAppleに賛同の意を示している者も少なくなく、IT業界においていま最もホットなトピックといえるかもしれない。

全世界でテロの脅威が高まるなか、この不安を背景にAppleを含むデバイスベンダーに譲歩を迫るFBIと、自社の信頼性と世界展開における製品戦略に大きな影響を及ぼすことになるAppleという構図だが、この難しい両者の闘争に関して、次は3月22日に公聴会が開かれる予定だ。いうまでもなく、これは今回のスペシャルイベント翌日にあたる。聞き取りを行うためにApple社内の複数の関係者に22日の召喚命令が出ているといわれ、これを前にApple CEOのTim Cook氏が何らかの意見表明を行うことも考えられる。

両者は無関係のようにも見えるが、「21日」という設定は今回の話題にリンクしているという意見もある。実際、Appleは2月上旬の段階では3月15日にスペシャルイベントをセットしており、実際に筆者も複数の関係者からの話で元々の開催日が15日だったことを把握している。少なくとも2月22日の週までは3月15日開催で準備が進んでおり、同週後半(具体的には2月24日前後)になり急に3月22日への延期が伝達された。理由は不明だが、FBIとの闘争に関してこの時期に情勢が大きく動いており(例えばBill Gates氏がApple支持を表明したなど)、Apple側が何らかの意図をもって21日という日付を選んだ可能性がある。

発表内容については当初の予想通り

製品発表とは直接関係ない話題が続いたが、当日発表されるのは「4インチ版iPhone」と「新型iPad」の2製品でほぼ間違いないだろう。詳細については過去のレポートと、その追加レポートを参照してほしいが、筆者が把握している各所の動きからみてiPhoneとiPad新製品であると考えていい。このほか、Apple Watch関連で若干のアップデートが行われる可能性がある。製品の発売時期については、スペシャルイベント延期の影響を受けて、18日から1週間後の25日にずれ込んだと考えていいだろう。

いずれにせよ、新製品以外にも注目ポイントがあるということで、22日午前2時よりスタートするスペシャルイベントを楽しみにしてほしい。今回はTown Hallにしては珍しく現地中継がオンライン経由で行われるとのことで、対応環境を持つユーザーで、翌日の行動に差し支えのない人はぜひチェックしてみるといいだろう。