米特許商標庁(USPTO)が3月1日(米国時間)に公開した特許が話題になっている。これは米Appleが「Detachable wireless listening device」の名称で2011年3月に申請していたもので、携帯音楽プレイヤー本体とイヤフォンを分離して、ワイヤレス状態でも音楽を聴くことを可能にする方法が記されている。Appleでは、2016年秋に登場するとみられる新型iPhoneにおいて35mmのヘッドフォンジャックを廃止するという噂があり、今回の特許はその噂を補強するものと予想する声もある。

イヤフォンを分離した状態でも、ワイヤレス通信により音楽をそのまま聞くことを可能にする

今回申請が認められたのは特許番号No.9,277,309で「Detachable wireless listening device」の名称になっている。簡単にいえば「取り外し可能な無線で音楽を聴くためのデバイス」であり、イヤフォンと音楽プレイヤー本体(例えばiPhoneなど)を接続するケーブル部分をイヤフォンの耳に近い部分から外し、Bluetoothなどのワイヤレス技術で音楽を聴くことができる仕掛けだ。ワイヤレス音声伝送については特記事項はないが、イヤフォンのケーブル部分で2つに分割して無線通信化できるという点が新しい。MacBook向けのForce Touch技術を含む、同日に申請が認められた複数の特許のうちの目玉のひとつといえるだろう。

前述のように、次期iPhoneといわれる「iPhone 7」の世代では従来から本体のデザインを一新する大幅更新サイクルのタイミングにあたり、ここで本体薄型化の障害になっていた35mmヘッドフォン端子を廃し、代わりにLightningのようなほかの端子やBluetooth技術を使ったワイヤレスヘッドフォン技術へと移行するのではないかという噂が存在している。 今回の特許はこのヒントになるのではという意見もあるが、申請中の特許そのものは2012年10月に公開されてすでに時間が経過しており、別にiPhone 7のタイミングに合わせたものではない。特許で示される機構も従来のイヤフォンとは別の使い方を提案する側面のほうが強く、ヘッドフォン端子廃止とは別の話だ。そのため、事の真偽はもう少し情報が出てくるのを待つしかないだろう。