Xシリーズについては、「軸足をインテリジェンスに置いて、新しい提案をしていく」と伊藤氏。その新しい提案の1つが、Xperiaシリーズの拡大だ。今までスマートフォンのブランドだったXperiaを、その他のスマートデバイスにも拡大。イヤーピースの「Xperia Ear」、プロジェクターの「Xperia Projector」、ライフカメラの「Xperia Eye」、音声エージェントの「Xperia Agent」の4製品が発表された。現時点ではEarのみ夏以降の発売が予定されており、それ以外はコンセプトモデルという扱いだ。
これらの製品に共通しているのは、「コミニュケーションにフォーカスし、インテリジェンスでユーザーの日々の生活をサポートすること」だという。「Xperiaはスマートフォンの枠を超えて、広いコミニュケーションツールに発展させていきたい」と伊藤氏は語る。 Xperia Earは、日々の生活で最も密接になったスマートフォンの画面を見ている時間を解放することを目指して開発されたとのこと。そのため、スマートフォンの画面を見ずに、スマートフォンの機能が利用できるように音声認識機能を搭載している。また、近接センサー、加速度センサー、ジャイロセンサーを備えており、耳に入れたことを認識して自動でスマートフォンから情報を取得できる。これらの機能は、その日の予定、天気予報、不在着信といった通知を声で教えてくれたり、音声だけでGoogleナビを起動して道案内をしたり、電話をかけたりといった操作を、スマートフォンの画面を見ずに行えるようにするのが目的で採用されており、「スマートフォンの画面を見ていて、友人やきれいな景色との遭遇という偶然を逃さずにコミニュケーションできる」というのが狙いだという。
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Xperia Eyeは半球レンズを搭載して前方180度を撮影できるカメラ。スマートフォン向けのExmor RS for Mobileセンサーを搭載し、笑顔認識や音声認識によってインテリジェントにシャッターを切るという |
それでも、Xperiaブランドにおいてはスマートフォンが中心であることは変わらない。Xperia Zからのブランド変更について伊藤氏は、「どれが前モデル、後継モデルとは考えていない」という。つまり、ソニーモバイルとしては「Xperia Zの後継がX」とは位置づけていないようだ。伊藤氏は「新しいストーリーにインテリジェンスを埋め込んだ」と話し、あくまで別ラインというポジションのようだ。