伊藤氏は昨年のインタビューで、「Xperia Z5には次期モデルの予兆がある」といった話をしていたが、カメラではZ5で最速0.03秒のAF速度を達成し、「絶対撮り逃がさないカメラに近づきたい一歩」だった。このように"ワンソニー"によってソニーの技術を入れ込んでいくのが「Zシリーズの進化だった」という。
それに対して、インテリジェンスを入れ込むのがXシリーズの進化であり、それが予測ハイブリッドAFの搭載だった。「ワンソニーの集大成としてのZ5があり、これからさらにインテリジェントに進化していくストーリーがここから始まる」と伊藤氏は言う。
ワンソニーではソニーの技術の搭載にこだわったが、インテリジェンスでは「全くソニーにない技術も色んなチャレンジをしたい」と伊藤氏の発言からの印象では、他社との連携も視野に入れているようだ。
「ハイレゾオーディオ、CMOSセンサーといったソニーの技術の上に我々オリジナルなストーリーを展開していきたい、というのが第3章の思い」と伊藤氏は続ける。
このXシリーズに、さらにインテリジェントを追加して成長させていきたいというのが今後の方針で、そのため「Xperia Z6は出ない」と明言する。
伊藤氏は「インテリジェンスをキーワードにすると、一足飛びに人工知能に行くわけではなく、地道な積み重ねが重要な領域」として、「Xperia Xいくつで完成形、といったところまで議論はまだいたっていないので、第一歩を大切にして、これからインテリジェンスを積み上げていきたい」と心情を吐露。
このインテリジェンスにはスマートフォンだけでなくXperia Earのようなスマートデバイスも含まれ、「全体のコミニュケーションの世界を作っていきたい」と意気込む。
Xperia Xシリーズは、まずは幅広いユーザーのニーズから最初に5インチサイズを決定し、設計を進めていったようだ。ZシリーズではCompactやPremiereのようなサイズバリエーションがあったが、「これはあくまで第一歩で、ここから色んな展開をしていきたい」ということらしく、サイズの異なる製品の登場も示唆した。
Xperia Xシリーズの製品ライフサイクルは1年を想定しているとのことで、次の新製品は来年になるはずだが、例えば9月に「Xperia X Compact」が出る可能性もないわけではない。この9月の発表で、ソニーモバイルがどういった戦略を考えているのか、その一端が垣間見えるかもしれない。
伊藤氏は「スマートフォンでできることが限界値に達したかは分からないが、スマートフォンを最大限に生かせる提案ができないか探っていて、それで見つけたのがインテリジェンスというキーワード」であり、それを投入したXperiaシリーズによって「第3章の幕が開けた」とアピールしている。