次に、プレーヤーをiPhone 6sに、接続経路をBluetoothに変更した。Parrot Zik 3はコーデックとしてSBCとAACをサポートしているため、iOSデバイスの場合AACが適用されると考えられる。AK Jrと3.5mmステレオミニで接続したときと比較すると、全体的に音が痩せてしまう傾向は否めず、特に低域の沈み込み感がもの足りなくなるが、それはそれ。この製品にはワイヤレスという強みがあるのだ。後述するアクティブノイズキャンセリング機能を組み合わせれば、納得の活用スタイルとなりうることは確かだ。

「192kHz/24bit」という仕様に注目したポータブルオーディオファンも多いことだろうが、残念ながらUSB入力でのハイレゾ再生には対応しない。USB入力は48kHz/16bitのみ、実際Mac(OS X Yosemite)とRaspberry Pi 2(Linux/Volumio 1.55)では48kHz/16bitのDACしか検出されなかった。なお、ハイレゾ再生アプリ「ONKYO HF Player」を試したところ、iPhone 6sとカメラコネクションキットとの組み合わせでは「消費電力が大きすぎる」とエラーになり、Android端末(Xperia Z Ultra)とUSB-OTGケーブルの組み合わせでは検出自体に失敗している。

スペックシートにある「192kHz/24bit」という数字は、内蔵の32bitプロセッサ(DSP)が扱う音声信号の範囲だ。詳細は不明だが、内部におけるデジタル・アナログ変換およびアナログ・デジタル変換処理を192kHz/24bitの帯域で行うという意味合いで用いているらしく、ハイレゾ再生を意味しない。この点、誤解を招きそうなため念を押しておきたい。

内蔵DACが対応するフォーマットは48kHz/16bitのみ、ハイレゾ再生には対応しない

PC側で設定を行えば、5.1chのマルチチャンネル再生も可能。キャプチャ画面はOS XのAudio MIDI設定