新キットレンズは、フォーカス速度が4倍以上!

ところで、一眼レフでの動画撮影において「スムーズなズーム操作」は悩ましい課題である。これを解決するアイテムが、EOS 80Dのキットレンズとしても用意される「EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS USM」と「POWER ZOOM ADAPTER PZ-E1」のコンビだ。

EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS USMは、万能レンズと好評の「EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM」の光学系をそのままに、モーターを新開発の「NANO USM」に変更し、手ぶれ補正機構を強化した新作レンズ。これに対応するパワーズームアダプター「PZ-E1」を組み合わせて使用することで、ズーム操作を電動レバーで行えるようになる。ズーム速度の10段階変速や「Camera Conect」アプリによる遠隔操作が可能だ。

EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS USMは、通常の静止画撮影でも大きな効果を発揮する。何しろ、ファインダー撮影時のAFフォーカス速度が、EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STMに比べて、最高なんと約4.3倍!!!! しかも悩まない! そして正確!! 70Dでも使用してみたが、EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STMとはまったく別物と言わざるを得ないレベルで、AFボタンを押したと同時に合焦する感覚。フォーカスの体感タイムラグは限りなくゼロに近かった。

新レンズ「EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS USM」(左)と、70Dのキットレンズでもあった「EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM」(右)。USMのAFフォーカス速度はSTMの約4.3倍!

EOS 80Dの新しい機能や仕様はまだまだ語り尽くせないが、今回はここまで。最後に、EOS 80Dの試作機で撮影した作例をいくつか掲載する。ただし、あくまで開発段階の試作機なので、画質等を評価するものではないことをご理解いただきたい。

なお、店頭予想価格については、EOS 80D本体が14万円前後、新作レンズ「EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS USM」が付属するキットが19万円前後、標準ズーム「EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STM」が付属するキットが15万円前後。なお、EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS USMの単体価格は8万円前後となる見込みだ。

上2枚の使用レンズは、EF-S 18-135mm F3.5-5.6 IS USM。ラージゾーンAFが便利なうえにレンズのフォーカスが速く、手ブレ補正の効きも良いため、被写体をしっかりと構図に収める余裕ができる
(以下、作例はすべて試作機を使用。クリックで長辺800ピクセルに拡大後、さらに長辺3,000ピクセルの画像を表示可能)

現場はかなり暗かったうえに焦点距離300mm(35mm版換算で480mm相当)、絞りはf5.6。それでも期待以上に合焦してくれた

シーン「手持ち夜景モード」で撮影。レンズはEF-S 18-135mm F3.5-5.6 IS USM

機材撮影:青木明子