ルネサス エレクトロニクスは1月20日および21日(インド時間)の2日間、インド・バンガロールにて、同社のプライベートイベント「Renesas Devcon 2016 India」を開催した。

Renesas Devconは、2010年から始まった同社の技術やソリューションの紹介を行うイベントで、グローバルイベントとして2014年に日本で、2015年に米国でそれぞれ実施されているほか、各国・地域のローカルイベントとして、グローバルイベントを開催地に併せてカスタマイズした形で開催されているもの。今回のインドでの開催は2013年に続いての2回目の開催となる。

今回のテーマは「Accelerate. Innovate. Differentiate.」で、インド市場をターゲットとした「Automotive」「Smart Communication」「Industrial Automation」分野に向けたソリューションを中心にセミナーや展示などが行われ、開会に際し挨拶を行った同社 代表取締役社長兼CEOの鶴丸哲哉氏は「成長著しいインドの市場には期待しており、今回のDevConでルネサスの技術とソリューションを是非体感してもらいたい」とコメント。インド市場に対して、同社も注視していることをアピールした。

「Renesas Devcon 2016 India」の様子。右から2番目が鶴丸氏、同3番目が、ルネサス エレクトロニクスインドのSunil Dhar社長 (提供:ルネサス エレクトロニクス)

また、同社は同イベントの開催に先駆けて、GADGET RENESAS(がじぇるね)として提供する電子工作ボードを使ったデザインコンテスト「GR-KAEDE Design Contest in India」を実施。上位3作品の製作チームが、同イベントに招待され、最終的な順位の決定と、優秀チームへの賞金15万ルピー(約26万円)などが授与される表彰式が執り行われた。

同コンテストの上位3作品の最終順位は以下のとおり。

  1. Upasana Diagnostic Tool Kit for Asha worker
  2. Smart Agriculture System
  3. Sign Language Recognition Using Sensor Grove

1位の作品は、遠隔制御が可能な診断装置で、体温、脈拍、血中酸素飽和度、血圧などを、遠隔からの指示もしくは装置の音声合成指示に従うことで、簡単に測定することができるというもので、かつ診断結果をWeb上にアップロードすることも可能となっている。

2位の作品はGR-KAEDEをセンサハブとして使用したIoTスマート農業システムで、土壌水分濃度や温度、日射量などをセンシングし、クラウドに情報をアップロード。SMSを用いて、スマートフォン(スマホ)に情報を送信し、スマホ上からの潅水や排気ファンの制御などを行うことを可能とするものとなっている。

3位の作品は、手話を読み取るための装置で、グローブにセンサを仕込むことで、安価にそれぞれの国別の手話に対応することを可能とするほか、音声合成を組み合わせることで、発話することも可能となっている。

Devcon Indiaで行われたがじぇるねコンテストの表彰式の様子。優勝チームには15万ルピーが贈呈された。左はプレゼンターを務めた同社の川嶋学 執行役員 (提供:ルネサス エレクトロニクス)

なお、こうしたがじぇるねコンテストは、これまでも日本では行われてきたが、今回、インドで行われたことを踏まえ、同社では、米国や東南アジアといった他地域での開催も検討を進めていく、としている。